脳の使い方を変えるWeメソッド®WSC ホールシステムコーチング®Whole System Coaching

  • Tweet
  • Share
  • Line

関係性がチーム・組織の成果を左右する!?

2022.02.01

  • Tweet
  • Share
  • LINE

「チームワークは大切」と言われますが、チームワークって何でしょうか?
何があればチーム、組織の成果が上がる可能性が高いのでしょうか?
組織、チームの成果をあげるために必要なことについてまとめました。

1.チームワークと関係性

そもそもチームワークとは何でしょうか?
チームワークを辞書で確認してみると、team=集団 work=作業であり、つまり
チームワーク(teamwork)とは集団に属しているメンバーが同じ目標を達成するために行う作業、協力、意識、行動などを意味する言葉になります。

では、「チームワークを大切にして頑張れ!」という言葉だけで組織の成果を上げることができるのでしょうか?
この問いに「YES」の人は、ほとんどいないことでしょう。

あなたは「同じ目標を達成したい。協力したい」という思いが、同じチームとなった誰にでも湧き上がってきますか?

ぶっちゃけ私はそう思えないこともありました。
「〇〇さんと同じチームかー。やりにくいなー」「〇〇さんがいればまとまるのに・・・」
なんて思ったことありませんか?

2人以上で何かをするとき、自分以外の誰かに向けた会話が、自分の中で行われていませんか?
チームワークの前段階として、チーム、組織の成果を上げるために大切なこと。それが、関係性です。

2.関係性

関係とは、二つ以上の物事が互いにかかわり合うこと。また、そのかかわり合い。
性質=生まれつきのたち。もって生まれた気質。ひととなり。天性。資性。
関係+性質で関係性と言っています。

つまり、もって生まれた気質の違うそれぞれが、お互いにかかわりあうこと。
かかわりあいながら関係を築いていくことが関係性を築く。ということではないでしょうか。

言葉を分解していくと、ハッと気づくことがあります。
「あの人は〇〇だからなー」「〇〇さんと同じチームかー。やりにくいなー」と、出てくることも自然です。
1人1人、性質が違うのですから。

では、自分と性質の違う1人1人と、どうしたら関係を築いていくことができるのか?
そこにはいくつかパターンがありそうです。

A:性質なども気にせずに、自然に気心を知れた関係になれる。心地よい。
B:何を考えているのか、よくわからない。普通には進めていくことはできる。
C:全く合わない。意見も考えも合わない。つい、対立してしまう。話したくもない。

私はこの違いを、“性質の距離”だと考えました。
Aパターンの場合、自分と相手の性質の距離は1mかもしれません。いくつか話をしていくと、早い段階で距離が縮まり、わかり合うことができる。
Bパターンの場合、自分と相手との性質の距離は100kmかもしれません。東京からだと、熱海くらい、大阪からだと、姫路くらい。なんとなくイメージできる距離感なので、わからないなりにも、会話を進めていくことはできそうです。
Cパターンの場合、自分と相手との性質の距離は何キロくらいかも想定がつかないくらいの距離かもしれません。いつ到着するかわからない果てしない旅。努力するけど、なかなか到達しないし、先が見えない。あきらめてしまうかもしれませよね。

私たちはこんな風に毎日、自分と性質の違う人との関係を築くため、よりよい成果を残したい、誰かの役に立ちたい。という想いをもって、1歩1歩、旅をしているのではないでしょうか。

3.関係性を築くには

では、関係性を築くにはどうしたらいいのでしょうか?
いくつかありますが、ここではポイントになる部分をご紹介します。

1)伝える
2)聴く
3)相手をおもんぱかる

1)伝える
2でお伝えした通り、自分と他者は性質が違います。それがゆえに私たちは、目の前の誰かと会話をしているにも関わらず、自分との対話(頭に浮かんだこと、気持ちも含む)をたくさんしています。
その時、自分との対話で浮かんでいることを、どれくらい相手に伝えていますか?

もし、伝えていないのであれば、ぜひ、伝えてください。
なぜなら、性質が違うので、伝えなければ、相手は全くあなたの想いも、考えもわかりません。仕事で言えば、机上の空論になってしまいますし、そうしているのは自分かもしれません。
では、どう伝えればいいのでしょうか?

伝えにくいことを伝えるときのポイントは、“クッション言葉”を使う。
例:「ちょっと言いにくいけど・・・」「〇〇さんが言っている意味と違うかもしれないけど・・・」「言い方が悪いかもしれないけど・・・」「合っているかわからないけど・・」と、
最初に、素直に言ってから、本当に伝えたいことを伝えてみましょう。

すると、相手も受け止める準備ができますし、ただ言いたいことを言っているのではなく、“気遣い”は汲み取ってくれるはずです。
直球の剛速球だとケガをしますが、ふわっと山なりに投げたボールだと受け取りやすいですよね。

2)聴く
これはちょっと鍛錬が必要かもしれません!
自分の中にある、想い、思い込みなどをちょっと隣に置いておいて、
目の前にいる人の話を聴く(耳を傾けて全身で)。
聴きながら、自分と対話してしまいがちですが、それもストップです。
この効果は、相手が「聴いてもらえた!」と感じることができると、安心感につながり、関係性を築くことができやすくなります。

3)相手をおもんぱかる
なかなか関係性を築けない相手でも、どんな人でもその人の性質、状況があるのかもしれない。
と相手をおもんぱかる気持ち。
ついつい、一生懸命になると忘れがちになります。
まずは、「あっ、相手をおもんぱかること忘れた!」と自分自身が気づくところからスタートしてみてはどうでしょうか。

その他、関係性の記事は下記にもありますので、参考にしてください。
・組織にコーチングを導入、どのように進めるのか?②
・生産性を上げるためのコーチング
・コーチングの新時代

4.関係性が築けていくと、チーム・組織にどんな変化が起こるのか
では、関係性が築けてくると、どんな変化があるのでしょうか?

1)遠慮の塊の議論ではなく、本音の対話へ言いたいことが伝えられる、聴くことができると、目標や実現したいこと、考えが明確になります。本音を見える化したら、あとは実現するために対話するのみ。本当に必要なことについて話し合うことができ、成果につながります。

2)1人1人の違いを認め、活かすことができるチーム・組織になる。関係性がうまくいっていないと、その人の得意を見過ごしたり、潰してしまったりすることがあります。関係性を築こうとすることで、違うことがあたり前。という前提のコミュニケーションに変化するため、違う部分を活かす!という視点に変わります。1人1人の力が活かされれば、チーム・組織が今まで以上に発揮されますし、今までに見えない効果も出てくるかもしれません。

3)他者を応援できるようになる関係性を築くことができてくると、自分のことだけではなく、誰かのために。という視点が入ってくるようになります。サッカーでも野球でも1人では勝てません。チームが助け合い、応援しあい、互いに成長しあえる関係性が築くことができれば、チーム・組織の成果は今までと違ったものになるのではないでしょうか。時には厳しい言葉がエールになるかもしれませんが、それも歓迎できるようになるといいですね。

まとめ

私もチームから「あの人と一緒にはやれない」と、言われた経験があります。
振り返ると、「仕事だし、やるべきでしょ」と、そもそも関係性をつくろうとしていませんでした。
自分の軸で進めていこうとし、「なんでメンバーは動いてくれないんだ!もう自分でやる」なんて思っていました。
人のせいにしていました。自分が性質の違いを理解せず、聴くことをしていなかったことを棚に上げて・・・・。
そこから自分の改革が始まりました。

誰しもついつい自分の性質、目線で話をしてしまう癖があります。

自分と他者が違う。ということを理解し、認識する。
そのうえで、1人1人を知るためにコミュニケーションをとり、自分の想い、考えを伝え、相手の想い、考えを聴いていけたらいいですね。

1人1人の関係性から、チーム・組織の関係性へ。チーム・組織の関係性を構築していくプロセスそのものが、新たな可能性のスタートだと感じています。
関係性にも視点を向けると、まだ見ぬ成長、成果があらわれるかもしれません。

記事の著者

飯田 招子Akiko Iida

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

大学卒業後、総合人材サービス企業へ入社。
新規開拓営業、プロジェクト管理など常に多くの人と関わる業務を経験。
また、OAインストラクターとして幅広い年代の技術習得とキャリア支援に携わる。
現在は、人材育成コンサルティングや中小企業の人材に関する課題解決、組織活性化、採用支援、各種研修を行っている。