脳の使い方を変えるWeメソッド®WSC ホールシステムコーチング®Whole System Coaching

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姿勢とコーチング

2021.02.01

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近年「姿勢をよくしたい」「綺麗な姿勢になりたい」という人が非常に増えています。
正しい姿勢とは、どのような状態なのか? 本人にとってベネフィット(有益性)はどのようなものなのか?その効果と影響についてまとめてみました。

1.正しい姿勢とはどのような姿勢か?

みなさん、正しい姿勢とは、どのような姿勢か?
身体にどのような影響を及ぼすか知っていますか?
まずは、そこから紐解いていきましょう。

(1)ヒトの骨格と筋肉
骨は集まって骨格を形成し、関節(骨と骨が連結する部分)とともに筋肉の収縮によって動きます。
ヒトの骨格は大人では約206個あると言われています。
筋肉は約650個あり、体重の40%〜50%を占めています。私たちが重力下で立つ、動くことができるのは、骨格と筋肉がそれぞれの役割を担っているからです。

(2)正しい姿勢は、内臓の働きに貢献する
正しい姿勢の簡単な見方をご紹介します。第1に、正面から見た時、左右の耳たぶ、肩峰、上前腸骨棘、膝が同じ高さか?
第2に側面から見た時、外くるぶし、大転子、肩峰、耳たぶが一直線上か?
これらのバランスが取れていると、内臓も正しい位置で働くことができます。

肺:様々な呼吸(腹式呼吸、胸式呼吸など)が行いやすい。→安定した心拍数を保持することができる。
胃:胃の攪拌(かくはん)運動が活発になる。
腸:腸の蠕動運動が活発になることで、お通じもよくなる。

(3)脳の「視覚野」で見る
姿勢と視覚は密接な関係性があります。例えば、1点凝視の時は、姿勢が前かがみになり
胸のあたりが緊張し、肩に力が入り、呼吸も浅くなります。脳の「視覚野」で見るようにすると
周辺視野が広がり上半身の力がぬけて身体軸ができ、楽な状態で立つ、歩くことができます。
結果、脊柱の上に頭蓋骨が正しいポジションになり、正しい姿勢を獲得することができます。

これらのことから、姿勢が健康にもたらす影響はとても大きいことがわかります。

2.不良姿勢になるとどのような影響が出るのか?

では、不良姿勢になると、私たちの身体や思考にどのような影響が起こるのでしょうか?
アンバランスな姿勢は、腰痛、肩こり、膝・股関節痛が起こりやすいですが、前述に書いたようにそれ以外にも影響を及ぼします。
猫背で前かがみの姿勢になると内臓が圧迫されて胃腸に負担がかかるから、逆流性食堂炎や便秘など消化器系の障害を引き起こします。他にも、前かがみになることで肺が圧迫されるため、酸素を吸い込む量が不足しがちになります。その結果、全身への血流が悪くなって
疲れやすさを感じたり、集中力の低下なども引き起こします。

3.姿勢とコーチング

(1)姿勢とコーチングの関係
「体幹を鍛える」でも言及している通り、プロコーチとして、常に心身ともに自分が整っていることは必須です。コーチ自身の姿勢が猫背など身体バランスが崩れていると心身に様々なトラブルをもたらします。
前述に書いたとおり、疲れを感じ、集中力が欠けているとコーチングが成り立ちません。
いかに正しい姿勢が大事か?正しい姿勢で日常を過ごすことが心身の健康にプラスな影響を与えるのです。

(2)姿勢から見たコーチとしての在り方
姿勢にもいろいろな姿勢があります。立っているときの姿勢、様々な動きを行うときの姿勢(私はこれを「所作事」と言っています。)どんなときも正しい身体の使い方を知って動くことで、自分を整えることができます。

国際コーチング連盟 (ICF:本部アメリカ)が定めるコア・コンピテンシー・モデル(核となる能力要件 2019年10月改訂)には、「コーチングマインドを体現している : Embodies a Coaching Mindset 」という項目が新しく明記されました。

姿勢を整えることは、プロフェッショナルなコーチの在り方/マインドセットと捉えることができるのではないでしょうか?

コーチングセッションのパフォーマンスの時だけに限らず、日常生活からコーチ自身が心身ともに整った状態=ベストコンディションの状態をキープすることで、プロコーチとしてのパフォーマンス力が上がり、自身のプレセンスの質も高まります。
そして、クライアントや周囲に影響力ある人財になることでしょう。

これは、コーチに限ったことではなく、リーダーや人と関わる全ての方にも必要なことと言えるでしょう。

4.まとめ

正しい姿勢と身体の正しい使い方が、心身の健康に大きく影響を与えることをおわかりいただけたでしょうか?

私の仕事は、コーチングを活用して、継続した運動が心身ともに健康になることの普及活動を行なっています。
立ち姿勢、椅子に座っている時の姿勢、現場でレッスン指導を行なっている時の動作など、その状況に応じて、正しい姿勢でいることができます。

それには、普段からのトレーニングは必須です。
45歳からピラティス、ジャイロトニック®︎のトレーニングを行うことで、筋肉ガチガチでアウターマッスルオンリー(手で触ることができる筋肉)で動いていたのが、余分な力が抜けて自然体で動けるようになりました。
そうすると、普段からの表情や言葉づかいも変わったことを実感しています。
 
「今回のプロフィール写真、肩周りが開いた感じで、いい表情をしていますね。」とフィ―ドバックをいただくようになりました。
確かに、それまでの写真を見ると全然違うのがよくわかります。

正しい姿勢であり続けるためには、定期的な運動を行うことが必要です。
筋トレ、有酸素運動、ストレッチなど、歯磨きのように日常生活の中に取り入れたいですね。
人生100年時代と言われています。100歳になっても美しい姿勢であり続けましょう。

記事の著者

梅本 道代Michiyo Umemoto

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

運動指導と人材育成のエキスパート
運動指導歴30年以上。運動指導者として、また人材育成&運動指導者育成講師、養成コースの企画事業部責任者として活動。現場での運動指導はグループレッスン10本/1週間、パーソナルトレーナーでは約1,000名のクライアントの運動指導実績を持つ。
2020年11月に国際コーチング連盟プロフェショナル認定コーチ(PCC)を取得。コーチングを普及するための草の根活動を継続中。