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呼吸とコーチング2

2024.11.01

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呼吸は、生命を維持するための最も基本的な活動であり日々の中で無意識に行われます。
呼吸は単なる生理現象にとどまらず、心と身体の調和を保つ身体行動でもあります。
コーチングにおいても、呼吸を意識することで、クライアントはストレス管理や集中力向上、感情のコントロールに役立ちます。

呼吸とコーチング」(2022/06/01)のコラム記事もご参照ください。
今回は、第二弾です。

1.呼吸の重要性と影響

呼吸は、単に酸素を取り入れ二酸化炭素を排出するだけでなく、体と心の状態に深く影響を与えます。深くゆっくりとした呼吸はリラックスを促進します。コーチングの場面で、感情のコントロールやリラックス効果が得られ、よりクリアな思考や冷静な判断ができるようになります。

アメリカ心理学会の研究では、呼吸法を使ったストレス対策は、心拍数や血圧の低下、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を減少させることが報告されています。

(活用例)
・緊張やストレスを感じているクライアントには、呼吸を整えることで心身をリラックスできる方法を提案する。
・面接やプレゼンテーション時など、プレッシャーがかかる場面で呼吸法を行うことで、クライアントの自信やパフォーマンスが向上する。

2.呼吸とマインドフルネス

呼吸はマインドフルネスとも強く結びついています。意識的に呼吸に集中することで、「今ここ」の瞬間に注意を向けることができ、過去や未来への不安や雑念を手放すことができます。このアプローチは、コーチングセッションにおいて、クライアントが目標達成に向けた集中力や自分自身への気づきを高めるために非常に有効です。

*マンイドフルネストは、過去の経験や先入観にとらわれず、今この瞬間に注意を払う状態を指します。
評価や判断をせず、ありのままの自分の心身や周りの状況を観察する自己認識力を高めることで、ストレス耐性や生産性、集中力、想像力、幸福感などの向上につながります。

(活用例)
・セッションの始めに深呼吸を行うことで、心身をクリアにする準備をする。
・達成したい目標に集中するために、呼吸エクササイズを導入する。

3.呼吸と身体パフォーマンス

呼吸法は、身体に十分な酸素を供給し、筋肉の緊張を和らげ、より効率的にエネルギーを使えるようにします。コーチングでは、特にスポーツ選手やパフォーマンスが求められる職業に携わるクライアントに対して、呼吸の重要性を教えることで、体力や集中力の向上が期待できます。

「オキシジェン・アドバンテージ」著者パトリック・マキューンの研究では、呼吸法を利用して酸素摂取を最大化し、持久力と身体的パフォーマンスを向上できることが示されています。この手法はアスリートにとって非常に効果的であるとされています。

(活用例)
・運動中に最適な呼吸のタイミングを指導し、パフォーマンスの向上を図る。
・呼吸法を取り入れたトレーニングで、身体の疲労回復を早める方法を提供する。

4.呼吸がコーチングに与える効果

コーチングの現場において、呼吸法はクライアントの感情調整や自己効力感の向上に貢献することが報告されています。
2020年のコーチング研究では、呼吸法を導入したコーチングプログラムを実践したクライアントが、ストレスへの対処能力が向上し、自己効力感が強化されたと報告されています。

まとめ

呼吸は、誰でも持っている自然なリソースでありながら、その力を最大限に活かす方法を知っている人は少ないように感じます。

コーチングにおいて、呼吸を活用することで、クライアントの心身の状態を整え、より深い自己理解や目標達成への道筋を提供することが可能です。シンプルでありながら強力なツールである呼吸法を、これからのコーチングに積極的に取り入れて、呼吸を活かしたコーチングで、未来を共創していきましょう。

記事の著者

梅本 道代Michiyo Umemoto

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

運動指導と人材育成のエキスパート
運動指導歴30年以上。運動指導者として、また人材育成&運動指導者育成講師、養成コースの企画事業部責任者として活動。現場での運動指導はグループレッスン10本/1週間、パーソナルトレーナーでは約1,000名のクライアントの運動指導実績を持つ。
2020年11月に国際コーチング連盟プロフェショナル認定コーチ(PCC)を取得。コーチングを普及するための草の根活動を継続中。