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リスキリング(DX人材の育成を支援する)

2023.03.01

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あなたは今のキャリアに満足していますか?あるいはあなたの部下やメンバーなど周りの方々は今のキャリアに満足しているでしょうか?
Z世代と呼ばれる人々が次々と社会人になり、新しい流れが猛スピードで訪れているのを実感する毎日です。私たちは、この流れをどう捉え、社会との関係性をどのように構築すれば、100年時代を幸福に生きていくことができるのでしょうか。

1.リスキリング・スキルアップ・リカレント教育

「リスキリング(Re Skilling)」という言葉を最近よく耳にするようになりました。一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事・後藤宗明さんの著書「自分のスキルをアップデートし続けるリスキリング」の内容をお借りして一部ご紹介します。「リスキリング」は、日本語にすると「スキルの再習得」「職業能力の再開発」という訳になるでしょう。
では、これまでに私たちがよく使っていた言葉の「スキルアップ」とは何が違うのでしょうか?

そもそも「スキルアップ」というのは和製英語で、英語には「アップスキリング」という表現が存在します。現職でのさらなる専門性向上のため、新しいスキルを獲得するという意味です。

アップスキリング(私たちのいうスキルアップ)の例としては「経理部のスタッフが、最新式経理ソフトの使用技術を身に着ける」・・・といったものです。

一方、「リスキリング」は、「新しいことを学び、新しいスキルを身に着け実践し、新しい業務や職種に
就くこと」という定義です。「リスキリング」の目的は「新しい職に就く」ということです。 

極端な例をあげるなら、
「経理部のスタッフが、デザインソフトの使用技術を身に着け、商品開発部に異動する」・・・といったものです。

リスキリングの大きな特徴の1つには、実施責任は企業(または行政)側にあるということです。
(※フリーランス・個人事業主を除く)
雇用側の新しい方向性に合わせ、必要となる能力の開発となるため、「仕事の一環」として実施するのだそうです。

新しいことを学ぶという意味では「リカレント教育」という言葉もあります。
リカレントとは反復という意味の単語なので、新しいことを学ぶために「職を離れて学び直す」という考え方です。

つまりは「働く → 学ぶ → 働く → 学ぶ」というサイクルを続けることを意味します。
そしてリカレント教育は、人生100年時代の生涯学習の一環として、ここ近年で注目を集めています。
「リスキリング」と「リカレント教育」との違いは、以下の表がわかりやすく示しています。

リスキリングとリカレント教育の違い

リスキリング リカレント教育
期間 短期間(12〜18ヶ月) 長期間(反復)
背景 テクノロジーの連携による自動化がもたらす雇用消失 人生100年時代の生涯学習
目的 学習およびスキル習得 学習
実施責任 企業(国によっては行政指導) 個人(の関心が原点)
講座提供 民間企業
(スタートアップ中心)
大学等、教育機関
学習分野 デジタル分野 広範囲
履歴証明 マイクロ・クレデンシャル
(オンライン上の学習履修証明)
公的学位

出典:一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ作成資料

2.リスキリングとDX人材

2020年1月に開催された世界経済フォーラムでは、「第4次革命によって1億3,300万人の新しい仕事が生まれる。
同時にこれらの技術によって、7,500万人の雇用が奪われる可能性がある」という発表がありました。その直後のレポートでは、
❖ 2025年までに企業は6%の人員削減が必要になる
❖ 従業員の2人に1人はリスキリングが必要(主にデジタルスキル転換)
❖ それらに該当しない半数の従業員も、自分が持つ40%のスキルを変化する労働市場に適応することが必要
❖ 雇用主は2025年までに従業員の70%以上にリスキリングを実施
という具体的な世界への提言となったそうです。

そして、DXまたはDX人材という言葉も、新型コロナウイルス感染拡大の少し前のタイミングあたりから
注目を集めるようになりました。
DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略で、IT(情報技術)を有効かつ継続的に活用することで、企業の業務のあり方から組織・文化・風土までを変革し、それによって企業が新たな価値を創出し、社会や人々の生活を向上するという考え方、またはそうした取り組みのことをいいます。(コトバンクより)DX人材は、それを推進することのできる人材といえます。
「デジタル化は欠かせない。しかしそれを実現できる人材がいない」という問題を解決するためには、
以下のような理由で、社内でのリスキリングを実施し、配置転換をすることが望ましいそうです。

1:社内のリスキリングは、採用よりもコスト安
2:社内の人材をリスキルングするほうがデジタル化は早く進む(勝手がよくわかっているという視点)
3:外部人材は退職(転職・引き抜き)のリスクが高い
4:デジタル人材の採用困難な状態はしばらく続く

そんな世界の動きの中で、日本のデジタル化に対するリスキリングの現状はどうでしょうか?

スイスの国際経営開発研究所(IMD)は毎年、世界各国のデジタル競争力を評価し、「IMD世界デジタル競争力ランキング」というデータを発表しています。❖ 知識 ❖ テクノロジー ❖ 未来への準備度合い、という3つの評価ポイントで比較をするというものです。 最新の2022年版では、日本は29位というランキングでした。
DXに対して消極的であるという現状がうかがえます。
これでは企業のトップが「我が社でもDX化を強化する」と方針を発表しても、従業員が進んでリスキリングに参画をするとは言い難い状況でしょう。

3.ハードスキルとソフトスキル

「慣れ親しんだ環境から抜け出すことは難しい」と考える人は少なくありません。またデジタル化に関する市場調査でも、
「テクノロジーは自分にとって脅威である」「学習の機会が限定的で、順応できる自信がない」
「どこか自分のことのように思えない。関心・課題意識が沸かない」
といった回答結果が出ているそうです。

アナログで過ごすことができたのは今日まで。明日からは「DX化に向けたリスキリングのために時間や会社の費用を投資する毎日」と急激な変化が始まるのを想像すれば、相当なプレッシャーでしょう。
もしあなたが、部下やメンバーのリスキリングを支援するという役割を担ったなら、どんな風に関わるとよいのでしょうか。
あなたにとっても、初めてのことに、部下・メンバーと同等かそれ以上のプレッシャーを感じるかもしれません。
ハードスキルとは:デジタルのスキルを始め、AI、ブロックチェーン、士業などの資格、専門性の高いもの、評価基準が明確で定量的なスキルです。
ソフトスキルとは:コミュニケーション能力、リーダーシップ、課題解決能力など、内面の性質に基づいており、明確な評価基準を設定しにくい定性的なスキルを言います。

本の中では、ソフトスキルの備わった人材がハードスキルを身に着けるためのリスキリングに参画することが望ましいと述べてあります。いわゆる「意識の高い人」は主体的に道を開拓していける可能性が高いが、ソフトスキルの備わっていない人材が
自らの意思でリスキリングを進めるのは難しいだろうという考察がしてありました。

私は今こそ部下を持つ管理者には、ソフトスキル習得のために「コーチングの学習」を推奨したいのです。
これこそがつまり、人生を変えるリスキリングだからです。

4.コーチングでリスキリングを支援する

コーチングは、自身(または相手)の内面に深く向き合い、「在りたい」・「なりたい」・「実行したい」・「得たい」などを明確にイメージし、目標を設定し、達成のための計画作成と、実行のプロセスを継続するものです。

大前提として、コーチ(あなた)とクライアント(部下/メンバー)とは協働関係にあり、共に未来を共創するという考えで関わり続け、「寄り添いの対等関係」を築きます。
また、コーチはクライアントの「力強い応援者」といえます。 不安なリスキリングへの挑戦をするのに、応援してくれる人の存在があるのはどれほど心強いことでしょう。

また、コーチングを学ぶことは、自分自身の「コミュニケーションを改革すること」と私は実感しています。
本当の自分の願い(魂の願い)について、どれだけの人が向き合えているのでしょうか。

私は「今の自分に充分満足している人」に会ったことはありません。
多かれ少なかれ、「変えたい」・「変わりたい」などの願望を持っている頼もしい人ばかりです。
(※「現状への感謝」や「足りていることを知る」という概念とは別の意味です)

さて、冒頭の「今のキャリアに満足していますか?」という質問の答えはいかがでしょうか。
世界の変化に対してリスキリングが必要だと会社のトップが示したなら、あなたはそれを好機と捉えますか?その答えが「わからない・・・」であるならば、コーチや信頼できる人と話すことが最適な手段と考えます。

では部下・メンバーにとってはどうでしょうか?
もし、あなたが上司やメンターの立場にあるならば、相手を応援できるより良い相談や面談ができるといいですよね。
そのために、コーチングを学び、リスキリングするのも一つの選択肢でしょう。

まとめ

リスキリングに抵抗する人は一定の割合で出現するだろう。しかし上手くリスキリングすれば、社内で価値を発揮し続けることができるという啓蒙が必要だ。「ゴールに対し、どこまで進めているのかを可視化。自らの現有スキルを可視化」したうえで、新しい職務の可能性を見つめることが重要だ。(経産省ホームページより)

これこそがコーチングなのです。対話を通して、リスキリングに挑戦し、自分をアップデートする人が
増えることを想像すると、ワクワクが止まりません。

記事の著者

船木 優子Yuko Funaki

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

メーカー企業にて営業アシスタントを経て、新人スタッフ育成を学び担当する。テーマパークの開業準備を経験した後、人材育成の部門にてマネジメント、キャリアディベロップメント、アルバイトスタッフ育成など幅広く携わる。2004年にコーチングと出会い、社内に導入する。その後、外食産業系企業で店長や女将業の現場経験を積み、2013年に独立。現在は、プロコーチとして企業の人材育成、組織開発を行っている。