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コミュニケーション手段の選択

2025.05.01

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日頃、どんな手段を用いてコミュニケーションをしているでしょうか?
大きくはこのように分類できます。
『話す』・『書く』・『聴く』・『見る(読む)』
発する側、受け取る側、それぞれの責任を果たすことでコミュニケーションは成立します。
今回は「コミュニケーション手段の選択」について考えていきます。

1.発信者側の留意点(話す)

ひとつ目の手段は『話す』というコミュニケーション方法です。
話すといっても、直接会う(対面)、電話、リモート、動画や音声の配信(ワンウェイ)などにも分けられます。
話す側にとっての留意点には次のようなものが挙げられます。

●話す内容をあらかじめ考えて台本にする
●5W〇Hを整えておく
●話の題名を最初に伝える
●結論を優先する
●何度か話すリハーサルをしておく   など

2.発信者側の留意点(書く)

ふたつ目の手段は『書く』というコミュニケーション方法です。
紙にペンや筆で書くというものをはじめとし、メールやメッセージアプリなどのデジタルツール、
イラストやアイコン、表、スライドショーなど広範囲に及ぶでしょう。
書く側の留意点には次のようなものが挙げられます。

●長文はできるだけ短くなるように読み直す
●余計な情報が混じっていないかを確認する
●話の題名(件名)を1行目に書く
●結論を優先する
●5W〇Hを整えておく
●文字の大きさや色など、目立つ箇所の工夫をする
●改行の位置や箇条書きなどの見やすさを工夫する
●イラストや挿絵、表などを効果的に含める   など

LINE、メッセンジャーのような吹き出し型のメッセージアプリを使う際、結構な縦長になりそうだとわかった場合には、一部画像データにすることや、表などを添付するのがよさそうです。

3.どのように手段を選ぶか

『話す』・『書く』どちらを選ぶのがよいでしょうか?
どちらの方法にも特徴があり、それぞれに効果があるのもわかります。
いずれの場合も共通認識は『受信者ファースト』ではないでしょうか。
コミュニケーションは受け取った相手の反応が結果ですので、伝わらなければ伝えていないことと同じと言えるでしょう。

【話すことを選ぶのが良い場合】
●文字(テキスト)では伝わりにくい感情やニュアンスを含む話
 例)お願いごと、感謝、賛辞、お詫び、フィードバック など
●一刻の余裕もなく、すぐに伝えたり回答をもらったりする必要がある場合
●読む、または見るのが苦手な相手の場合(高齢者、目が弱い人、など)

【書くことを選ぶのが良い場合】
●間違いを防止したい場合
 例)日時、数量、住所、漢字、スペル など
●見返すために記録として保管しておきたいもの
●視覚効果のありそうなもの
 例)指定の位置がわかるもの、記憶に残りやすいインパクトを与えるもの など
●URLなどリンクがある場合
●電話になかなか出られる状態ではない相手の場合

どちらかひとつに限定する必要もなく、両方を上手に組み合わせることや、相手に合わせて選択するということができますね。
くれぐれもこちらの得意・不得意や面倒が理由で選択することは避けたいです。例えば、メールを打つスピードが遅いからという理由で数字などの情報を含む会話を電話で済ませたり、一方的に文字で書いて自分の都合のよい時間帯に送り付けたりするようでは、受信者ファーストどころか関係性の悪化を招くのではないでしょうか。

4.受信者側の責任

発信者側が受信者ファーストに努めているからといって、受信者側が受け身・待つ身の態勢でコミュニケーションは成立するでしょうか?


ホールシステムコーチング® テキストブックより
 
上の図は、私たちのコミュニケーションモデルを表す画像です。
目の前で起こっている外的な出来事を、私たちはどのくらいの正確度で受け取っているのかというと、実はたったの20%にすぎず、残りの80%は私たちの脳内で省略・歪曲・一般化などが起こり、判断や解釈を通して、発言・態度・行動を選択するのだそうです。
本当に相手が伝えたかった事実かどうかではなく、受け取る側の解釈や判断が結果となるわけです。
誤解が生じるのも無理のないことですね。
そこで、受け取る側の留意点には次のようなものが挙げられます。

●こちらが理解した内容を伝えてみる(復唱、フィードバック)
●わかりづらいと感じたときには質問をしてみる
●相槌や表情で理解度を示す
●見た(読んだ)ことが発信者に伝わるようにサインを出す
●話を途中で割ることや、『要するに』とこちらがまとめるのではなく最後まで聴き取る
●自分の解釈や判断を手放す努力をしながら受け取る   など

まとめ

私たちコークリエイターは毎年春に集合し、2日間の合宿でともに学んでいます。
私たち自身の『バイアス』に気づき、どう向き合うかが話題になっていました。
コミュニケーションでよく陥りがちなのは、『言ったのに』『メールを送ったのに』という結果です。
そこには発信者側の配慮と受信者側の捉え方、双方に伸びしろや改善責任が存在すると感じています。

記事の著者

船木 優子Yuko Funaki

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

メーカー企業にて営業アシスタントを経て、新人スタッフ育成を学び担当する。テーマパークの開業準備を経験した後、人材育成の部門にてマネジメント、キャリアディベロップメント、アルバイトスタッフ育成など幅広く携わる。2004年にコーチングと出会い、社内に導入する。その後、外食産業系企業で店長や女将業の現場経験を積み、2013年に独立。現在は、プロコーチとして企業の人材育成、組織開発を行っている。