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社長・組織トップの仕事

2022.04.01

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マネジメントとは何でしょうか?
「マネジメントとは、人にかかわるものである。その機能は人が共同して成果をあげることを可能とし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである」、
あるいは「マネジメントとは、ニーズと機会の変化に応じて、組織とそこに働く者を成長させるべきものである。組織はすべて学習と教育の機関である」
(新しい現実 『ドラッカー選書』より抜粋) と経営の神様と呼ばれるドラッガー氏が言っています。

社長・組織トップがしなければならないことはマネジメントであり、マネジメントとは人に関わるものと考えられています。今回は社長・組織トップの仕事のうち、人に関わる仕事に焦点を当て、コーチングをどう活かすかについてお伝えします。
ご自身が社長・組織トップでなくても、経営者視点は、仕事をする全てのビジネスパーソンに必要でしょう。

1.きけ(聴け)、話すな

高業績企業の条件は、組織が学習していく組織であり、自由に意見のいえる会社風土があり、その組織の風土づくりには、社長・組織トップの『傾聴力』がカギになると考えます。

そこでご紹介したい言葉が、「きけ、話すな」です。
(ピーター・F・ドラッカー『経営者の条件』からの抜粋)

企業のトップは『穴熊社長』(会社の中にいて、お客様のところを訪問しない社長)ではなく、自身が顧客を訪問し顧客の話を「きく」、現場を回り社員の話を「きく」事が重要です。企業の変革者は、社内をくまなく歩き、現場の声を「きく」 重要性を知っていまます。
現在、コロナ禍で対面での面談や同行訪問など現場の声を「直接きく」ことが難しい環境下ではあります。だからこそオンラインを活用して、「時間を共有して話をきく」ことがとても必要です。
企業というシステムの中で、自由に活発に意見の言える組織づくりのため、社長・組織トップは「きく」ことを意識しましょう。

コーチングで学ぶ「聴く」とは、「積極的傾聴」と言い、自分の解釈を横に置き、相手のために聴きます。その際に、批判や評価はせず、相手の話の内容に心からの関心や興味を示し、言っていることのみならず、雰囲気や感情も含めて相手が何を伝えようとしているかに集中して聴き取ります。社長・組織トップはこの「積極的傾聴」をマスターすることで、顧客や社員からニーズや価値観など多くのことを知ることができるでしょう。

2.長期的に最も効果的な施策は人材育成である

よい会社にしたいと思ったら人を育てることが重要であり、企業の最大の投資は人材育成と言えるでしょう。社長・組織トップの仕事は、自社の人材育成体系づくりと成長支援と考えられます。


【経営の好循環】

人材は組織的、体系的に育てることが重要です。そのため、社長・組織トップ自ら人材育成に関与し、経営幹部、稼ぐ人、新人を育てるなど体型的に社内で運用して行きます。
私が学んでいるコンサルティング会社では、毎月業務の10%(月約17時間)は人材育成
の時間と決め、社長・組織トップも社員たちと共に学習し、人材育成に時間を当てます。

社長・組織トップも社員と共に学ぶ事で、社内の風土が変わっていくことを実感しました。

【人材育成で整備・確立すべき3つのこと 】
1 )求める人材の能力と育成の目標基準を明確にする

2) 社内学習の仕組化を確立している(PDCA)

3 )労働時間の10%以上を教育に割くようにする
社長・組織トップの仕事は、長期的な施策として、【経営の好循環】を理解し自社の人材育成の体系作りと成長支援を進めるとことが理想と言えるでしょう。

3.経営チームづくりに活かす全脳システム

会社の規模が大きくなると経営を運営するバランスの取れた経営チームをつくる必要があります。会社が成長していくには、経理部、人事部、営業部など各部署の責任者となりうる人材が必要となり、あらゆる手段を試し人の教育・成長、採用を進め、常にアンテナを張り、人をリクルートします。
さもなければ、重要な仕事が放置されることになりかねません。

そのため、社長・組織トップは組織に必要な特性や人材の特性を見極め、組織の中での役割分担(経理部、人事部、営業部など)を意識することで、誰が何に責任をもち、目的と目標は何か、強みを発揮させ、弱みをカバーするバランスの取れた経営チームをつくることが大切です。

人は脳の使い方(脳のクセ)の違いにより、思考特性(物事の捉え方や考え方)が人それぞれ異なり、あらわれる言動も異なります。バランスの取れた経営チームをつくる場合、
4つの脳の優位特性(4象限)をチームで補い合うことが重要だと考えます。そうすることで脳の機能をバランスよくチームで補え合えるようになり、チームパフォーマンスも向上します。結果、全方位的にバランスの良い経営チームが生まれます。

【全脳システムを意識した経営チーム例】

4.事業承継とコーチング

事業承継とは文字通り「事業」そのものを「承継」する取り組みであり、承継後に後継者が安定的な経営でさらなる成長をはかるためには、あらゆる経営資源を承継する必要があります。

後継者に承継すべき経営資源として「人(経営)」、「資産」、「知的資産」の3つの要素が挙げられます。事業承継は経営者が脈々と培ってきた技術やノウハウ、知的財産、経営資源を次世代へ継承していくという観点から、社会全体にとっても大切な課題です。

だからこそ社長・組織トップには、事業継承を念頭に置き、事業継承までのライフサイクルをテーマにコーチと契約しコーチングを通して明確な目標と行動計画を考える事を提案しています。

スムーズに事業継承する事は、大切な社長・組織トップの仕事です。

まとめ

ピーター・F・ドラッカー【マネジメント】には、
「組織が偉大たりうるのはトップが偉大なときだけである。」と明記されています。
社長・組織トップの成長が企業の成長だと、私は信じています。

そして、社長・組織トップの努力する姿を、社員は見ています。
これは、社長・組織トップだけのことではなく、チームのリーダーやビジネスパーソンにも当てはまるのではないでしょうか。
経営者視点は、仕事をする全てのビジネスパーソンに役立つことでしょう。

記事の著者

山本 貴史Takashi Yamamoto

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ