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コミュニティづくり(コラボレーション)

2023.10.01

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『コラボ』という表現が一般的になって、いたるところで見聞きしますね。
私にとっても日頃から色々な場面で、便利に用いる言葉の1つになりました。

ICF(国際コーチング連盟)の定める4つのコア・バリューの中の1つに
コラボレーション(協働)があります。
「私たちは、社会とのつながりを深めコミュニティを形成することを約束します」
という日本語訳の解説があります。

今回は「私たちコーチのコラボレーション」について考えていきます。

1.ICF(国際コーチング連盟)の定めるコア・バリュー

ICF(国際コーチング連盟)の定める4つのコア・バリューを最初にご紹介します。
※ⅠCF(国際コーチング連盟)については、コラム「国際レベルのコーチを目指す」に記載しています。

①:プロフェッショナリズム(専門性)
私たちは、責任、尊敬、誠実、能力、卓越を包含するコーチングマインドと
プロフェッショナルとしての品質を約束します

②:コラボレーション(協働)
私たちは、社会とのつながりを深めコミュニティを形成することを約束します

③:ヒューマニティ(人間性)
私たちは、人道的かつ親切で思いやりがあり、他者を尊重することを約束します

④:エクイティ(公平性)
私たちは、他者のニーズを探索し理解するために、コーチングマインドを用いることを約束します。
そして、すべての人のために平等をつくり出す常に公平なプロセスの実践を可能にします

そしてコア・バリュー(Core Values)とは、組織や個人が大切にし、信じる価値観や原則のことを指します。これらの価値観は、行動や意思決定に影響を与え、組織の文化や個人のアイデンティティを形成します。
コア・バリューは、組織のミッションやビジョンに基づいて設定され、組織の目標や行動を導く基盤となります。
ICFプロフェッショナルである私たちが大切にしている共通の価値観の1つにこれから考察する「コラボレーション(協働)」が含まれているということです。

今回私がこのテーマを選んだのは、他の3つのコア・バリューと比べて、
体現の方法が多様であるため、体現の方法がわからなかったから。
つまり、意味、意図を理解して、探究しながら体現したいと感じたからです。

2.コラボレーション

コラボレーションを辞書で調べると、以下のような意味が出てきます。
協働
協力
協調
協働
合作
共同研究
共同制作    など

ICF(国際コーチング連盟)が、この価値観を重んじる意図は何でしょうか?

私たちホールシステムコーチング®のコーチは、定期的な勉強会の場を設けています。
その中でこの「コア・バリューをどう捉え、どう体現するか」を検証しました。

1つには、コーチとクライアントとの協働です。
ホールシステムコーチング®共同開発者である生嶋幸子が、時代による人材育成の変化について、興味深い表現をしています。

・昭和時代 : させる/やらせる
・平成時代 : (相手の能力・意見を)引き出す
・令和時代 : 協働する、共創する(私たち/コークリエイト)

ICF(国際コーチング連盟)も、時代の変化に合わせて概念をアップデートし続け、この「令和時代」と合致しているのを感じます。

「させる人」も居なければ「引き出す人」も居ない、コーチングの関係性は対等で
協働・共創することが、「コラボレーション」と言えそうです。

2つめには、コミュニティの活性化です。
和訳解説にも「社会とのつながりを深め、コミュニティを形成する」とあります。
私たちはこれを、仲間との継続的な関りによって、互いに磨き合い、学び合い、
最新の情報を保持し続けることだと理解しました。

ホールシステムコーチング®はただのスクール運営にとどまらず、
ICFプロフェッショナルとしての「コミュニティづくり」をしています。そしてそれを活性化することが、
もう1つのコラボレーションの体現と言えるでしょう。

3.コミュニティの活性化

では次に、コミュニティを辞書で調べてみましょう。
共同体
地域社会
共有、公共    など

コミュティの活性化とは何でしょうか?
こちらも私たちは頻繁に話し合っています。
「何らかの成果(物)があること」 や 「参画することで有意義だと感じること」
それゆえに、参画者が積極的に運営をしたくなることだと考えています。
そのために私たちが日ごろから大切にしていることの1つとして『心理的安全性』があります。

この言葉は特に、2012年Googleが立ち上げた「プロジェクト・アリストテレス」を実行する中で、
効果的なチームがどのようなチームであるかを調査した結果として、
「心理的安全性」を発表したことから世の中に広まっていきました。
一般社団法人日本認知科学研究所理事 石井 遼介氏の著書
「心理的安全性のつくりかた」から一部抜粋します。

心理的安全性の高いチームは、チーム内での学習が促進されている。
つまり心理的安全性を向上するには、学習するチームをつくること。

また活性化するためには、チームなりの基準が必要です。
本書には基準についてもハイスタンダード(高い基準)を目指すことの重要性が記してあります。
学びと基準について、参考になるマトリックスがありました。

私たちがつくり、活性化しようとしているコミュニティは、「学びの継続」を目的の1つとしているので、これが心理的安全性に結びついていることがわかって安心しました。

コミュニティ形成を含めたコラボレーションの成功事例を、このコラムで発表できるよう活性化を目指していきたいです。

また、コミュニティ形成においてはチームコーチングが有用であることを、こちらのコラム「PTAとチームコーチング」でお伝えしています。

まとめ

複数の人物が関わるチーム(組織)におけるコア・バリューの存在は、自信を持って体現(行動)する上で大いに役立ちます。
また、当初わかりづらさを感じていたコラボレーションは、「コーチとクライアントとの協働・共創」そして「コミュニティの活性化」であることを今は納得できます。
「心理的安全性」を維持し、学びの環境・文化を「共に創って」いきます。

記事の著者

船木 優子Yuko Funaki

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

メーカー企業にて営業アシスタントを経て、新人スタッフ育成を学び担当する。テーマパークの開業準備を経験した後、人材育成の部門にてマネジメント、キャリアディベロップメント、アルバイトスタッフ育成など幅広く携わる。2004年にコーチングと出会い、社内に導入する。その後、外食産業系企業で店長や女将業の現場経験を積み、2013年に独立。現在は、プロコーチとして企業の人材育成、組織開発を行っている。