脳の使い方を変えるWeメソッド®WSC ホールシステムコーチング®Whole System Coaching

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呼吸・お腹・周辺視野

2019.10.01

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コーチングを始める前におこなう3つの準備「呼吸・お腹・周辺視野」。
これを行うことで、自分自身を整え、「今」ここに集中し、コーチとしてのコーチングパフォーマンスを高めることができます。
こんな簡単なことで、本当にそのような効果が得られるのでしょうか?
それぞれを整えることの効果と、その具体的な方法についてまとめました。

1.呼吸

私たちの生命維持に「呼吸」は欠かせません。
呼吸とは、外界から酸素を摂取し、二酸化炭素を排出する、そのガス交換の働きをいいます。
しっかり酸素を取り込み、全身の細胞に行き渡らせることで様々な効果が得られます。ところが医師によると、私たちの多くは酸欠状態で、肺が本来取り込める酸素量の5分の1から4分の1程度しか取り込んでいないのだそうです。

(1)呼吸、特に「深呼吸」の効果
■エネルギーが増す、やる気がみなぎる
身体の老廃物の70%は呼吸を通して排出されます。深い呼吸でたっぷり酸素を取り込めば、細胞が楽に毒素を排出するようになり、十分なエネルギーが残されます。

■心と身体が調和する、自尊心が高まる
正しい呼吸はマインドフルネスを増進し、今この瞬間に意識を集中することができ、心と身体が一つになる手助けをしてくれます。さらに、呼吸をすることで、エンドルフィン(気分を良くする天然化学物質)が分泌され、気分を上向きにする作用があります。

■頭が冴える、集中力アップ
酸素の最大の供給先は脳で、全身の酸素の約20%を消費します。深い呼吸により酸素で満たされていると、脳はより良く動くことができます。深い呼吸は集中力を改善し、問題解決能力を高めます。
 
■リラックス効果、ストレスが和らぐ
深呼吸は副交感神経を優位にし、身体だけでなく精神もリラックスすることができ、心を鎮め、悩みをコントロールできるようになります。

■血行促進による健康状態の改善
身体中を巡っている血液は、酸素や栄養を全身に届ける役割があります。血行が滞れば身体の至るところで栄養不足や酸素不足が起きてしまいます。ノーベル賞受賞者のオットー・ワールブルク博士は、「がんの原因はたった一つ、通常の呼吸が酸欠状態の呼吸に変わってしまうことだ」と説いています。深呼吸で全身に酸素を行き渡らせること、血行を促進することは、冷え性の改善や生活習慣病の予防にもなります。

■便秘の改善
深呼吸をすることで横隔膜(内臓を覆っている筋肉)が広がり、内臓に刺激が与えられます。これにより便通に深いかかわりのある胃や大腸などの内臓が活発化します。さらに、普段よりもはるかに多くの脂肪燃焼効果を発揮してくれるため、ダイエットにも効果があります。

■疲労回復が早くなる
深く息を吸うことで酸素が身体内に行き渡り、身体中の細胞が活性化され、疲労回復能力が高まります。また、リラックス効果が高まることから、身体の緊張がほぐれ、睡眠時や休息時による疲労の回復効果がさらに促進します。

(2)具体的な方式
【腹式呼吸】
1. 仰向けになってリラックスする
2. 肋骨のちょうど下あたり、お腹の上に本を1冊置く
3. ゆっくりと鼻から深く息を吸い込み、お腹を風船のように膨らませる
  (息を吸うたびに本が上昇する)
4. ゆっくりと鼻(口)から息を吐いて、お腹がへこむのを感じる(本が下降する)

2.お腹

身体の中心を知ることで、瞬時に安定することができます。身体の中心を知るとは、自分が「今」ここで起きていることにしっくり馴染んで集中している状態のことです。

(1)身体の中心=お腹(丹田)を意識する効果
心が安定する(動揺しない) 、呼吸が深くなる、お腹から下半身が安定してどっしりした状態となり、上半身は力が抜け自然体の姿勢になる。この姿勢を取ることで、深層筋を活用して身体運動、動作ができ、自分の潜在能力を発揮できることにつながると言われています。
※丹田とは、おへその少し下のところで、下腹の内部にあり、気力が集まるとされるところです。

(2)具体的な方法
【身体の中心安定法】腹式呼吸で反応した、お腹の奥の筋肉を感じながら動かします
1. トイレを我慢するように、尿道を締める。お腹以外の身体はリラックスする
2. 骨盤の内側に手をあて、「ふっ、ふっ、ふっ」とお腹から息を吐く
3. おへその少し下(丹田)を恥骨から引き上げるように、筋肉が動いているかを感じる

3.周辺視野

眼球の働きは、脳の働きに影響しています。
周辺視野は、リラックスし集中するための早くて簡単な方法です。

(1)周辺視野の効果
視野が広くなり、情報を多く取り入れることができるだけでなく、考え方の視点も広くなります。

(2)具体的な方法
1. 目の前に両てのひらを見る
2. 前を見ながら、手のひらを視野に入れたまま両手を左右に開く

まとめ

私はかつて時間に追われて、クライアントさんとの大切なセッションにギリギリで入ったことがあります。バタバタと焦りを持ったままセッションをスタートして、クライアントさんにではなく、自分に意識を向けてセッションしていました。呼吸は浅く、頭に血が上っているような感じがしました。

この方法は、どれも自分で簡単にコントロールができます。ほんの短時間でも、やるとやらないとでは大きな違いがあります。こうして自分を整えることは、コーチングセッションという場面だけでなく、日ごろの自分を整えることにもつながります。ぜひ、試してみてください。

記事の著者

コークリエイター・ちえCo-creator Chie

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ