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朝礼の活用(メリット・実施の工夫・つかいたい言葉)

2018.12.07

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職場に朝礼はありますか? 朝礼と言えばさかのぼること数十年、小学校の運動場で
毎朝開かれていた朝礼を思い出します。今でも憶えている校長先生の言葉もあるでしょう。
「家に帰るまでが遠足です」「夏休みは長いけれども気を抜かずに」など。
大人の朝礼には、どんな工夫や言葉があるとよさそうでしょうか?

1.朝礼の目的とメリット

朝礼には次のような目的があると言われています。
・始業前にエンジンをかける(ヤル気を起こす)
・目標、報告事項などの情報を共有できる
・ワンポイントレッスンのような教育に有効である
・コミュニケーションの場となる
・話す力、聴く力が身に着く など

有意義な朝礼に参加をして感じるメリットとは、
・チームに属しているという実感が持てる
・承認が明確である
・知識、スキル、情報、が増える
・ヤル気と共に緊張感が得られる などがあります。

「だったら参加しなきゃ損 」と、朝礼に出るのが楽しみになりそうです。

「朝礼のネタが尽きた。何かないか?」と相談を受けたことがあります。
その組織では毎朝の朝礼を長年続けているそうです。
メリットがあるかと尋ねてみたところ、あるから続いているとのことでした。
そもそも朝礼は会議と違い、短時間で、毎朝(または頻度の高い定例)のルーティーンです。おおいに活用したいものです。

2.朝礼の工夫

一方、毎朝のことなので「マンネリ(形骸)化」を心配する方も多いようです。
短時間の朝礼でメリットを生むには、実施時の工夫がたくさんあります。
次のような切り口で進めてみてはいかがでしょうか。

などなど。工夫によっては「ネタ」が尽きないほどありそうですね。

一体感や集中力のある短時間を過ごしてもらうための工夫には、
東京都品川区にある「第二延山小学校」の校長、滝渕正史さんの実例(※)を参照します。
▪ 話は短く
▪ 1回につき1テーマ
▪ 生活や学習につながる(役立つ)ものを選ぶ
▪ 話の組立てを統一(題名 → 具体的な話 → 画像や写真などの視覚資料 → 〆)

この小学校では朝礼の間、600人もの児童に“ざわつき”が無いそうです。それでもまだまだ「全校児童の心に響く朝礼だとは言い難い」とおっしゃっています。

3.朝礼でつかいたい言葉

なぜ朝礼で?もちろん「言葉は組織の文化」ですから、いずれ朝礼以外のところでも同じ言葉をつかうことになるでしょう。
繰り返し行うことには、浸透力・影響力があります。ラジオ体操をずっと憶えているのと
同じ効果です。朝礼でつかう言葉は、意識的に選びたいものです。

先日、ホールシステムコーチング®のクラス中に、こんなことがありました。
体験実習をするときに、観察係からフィードバック(事実や感じたことを伝える)をもらうのですが、ある参加者さんがこんな言葉をお遣いになりました。
『今、観察係さんから、○○という指導をいただいて、気がつきました。』
観察係は慌てて訂正をしました。
『いえいえ、指導ではありませんよ~。フィードバックです。フィードバック。』

参加者さんは何気なく言ったに違いないです。
その後何度か『ご指導を…』と言いかけては『フィードバックをいただいて…』と言い直していらっしゃいました。

まずは朝礼でつかってみていただきたい、と思う言葉をいくつか選んでみました。
■「○○くんに、~させる」→「○○くんに、~してもらう」
■「私はこれを終わらせる」→「私はこれを終える」
■「○○さんに、~されて」→「○○さんが、~をなさって」
■「皆さん」→「私たち」

何気なくつかっている言葉を今一度考え直してみると、違和感が見つかるかもしれませんね。朝礼から変えてみるのはいかがでしょうか。

まとめ

組織の文化づくりは毎日の小さな積み重ねです。
個々に忙しい中で「短時間・全員参加」の朝礼はそれをするチャンスです。
そしてつかっている言葉が、その組織の文化を露に映し出します。影響力・浸透力のある朝礼で、意識的にも無意識的にも共有し続けましょう。

記事の著者

船木 優子Yuko Funaki

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

メーカー企業にて営業アシスタントを経て、新人スタッフ育成を学び担当する。テーマパークの開業準備を経験した後、人材育成の部門にてマネジメント、キャリアディベロップメント、アルバイトスタッフ育成など幅広く携わる。2004年にコーチングと出会い、社内に導入する。その後、外食産業系企業で店長や女将業の現場経験を積み、2013年に独立。現在は、プロコーチとして企業の人材育成、組織開発を行っている。