脳の使い方を変えるWeメソッド®WSC ホールシステムコーチング®Whole System Coaching

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脳も人間関係もネットワークがミソ

2020.09.01

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私たちは、産まれた瞬間から、年を重ね、死に向かっていきます。
生まれてから死に向かう時間経過、年齢を「加齢」と言います。
日本の神道では、「老い」とは人が神に近づく状態のことのようです。
7歳以下の子供は、「童」と呼ばれ、神の子です。

「年をとったから・・・、以前より物覚えが悪くなった」とか
「体の動きが鈍くなった。体力が衰えてきた…」とか
「以前より、気力が落ちてきた」とか感じたことはありますか?

人生100年時代を健康で幸福度を高く生きるヒントを脳科学の観点から探求してみましょう。

1.年をとるほど脳が衰える!?

人生100年時代です。今、あなたは、何歳ですか?

「年」をとることを「成長」と呼ぶ時代/ステージと
「年」をとることを「老化/老い」と呼ぶ時代/ステージがありますよね。

オギャーと生まれてから、お誕生日を迎え、年を重ねることを「成長」したと言います。
そして「老化」とは、加齢にともなって体の機能が低下、衰えることです。

「老化」の始まりは、20代〜30代らしいです。

一般的に、いつまでが「成長」で、いつから「老化」なのでしょうか?
日常的に、私たちは、「成長」と「老化」の境目を無意識に決めて、
言葉に出して使っているようです。

さて、子どもの脳は、6歳で大人の脳の9割まで成長し、12歳でほぼ完成します。
小学校の時に、
「20歳をすぎると脳は老化する」
と教えてもらったし、老化すると思っていました。

一方で、脳のある領域が機能障害を起こしたり傷ついたりした場合、
別の領域が代役となって失った部分の役目を果たすことができる
「脳の可塑性(かそせい)」は有名です。
*脳の可塑性は、ノルウェーの神経解剖学者のAlf Brodaが
自分が脳梗塞になった体験から、 1973年に唱えた概念です。
脳は与えられた環境に対して、柔軟に適応することができる。

ニューロン(神経細胞)は、1日に10万個死んでいくといわれます。
ニューロンの数は基本的には増えることはなく、減る一方です。
しかし、ニューロンには新しく突起を伸ばしてネットワークをつくり上げていく力があり、
高齢者になってもその力はなくならないのです。

実際、老化して亡くなった人の脳のニューロンを調べてみると、
むしろ若い人よりも豊かな突起のつながり方をしている場合があるそうです。

2.生き方は外見(顔つき、姿勢)だけでなく、脳にもあらわれる

幸せな人生を送ってきたなあと感じる人は、どんな顔をしていますか?
表情はどうですか?
姿勢はどうでしょうか?

一方、不幸せそうな人生を送ってきたなあと感じる人は、どんな顔をしていますか?
表情は?
姿勢はどうでしょうか。

前者は、笑顔や生き生き表情が浮かぶのではないでしょうか?
シワ、目尻に多いかもしれません。
背筋がピンと伸びて姿勢がいい。

後者は、笑顔ではなく、不機嫌な顔や難しい顔が浮かびませんか?
シワは、眉間に多いかもしれません。
背筋は、丸まって姿勢が悪い。

これは、私たちが持つ「幸せそうな人」と「不幸せそうな人」のイメージです。
実際、研究データでも表情や姿勢を変えることで、
幸福度が高いとう結果が出ています。

私たちがどのように年を重ねて生きてきたか、その結果が顔や身体にあらわれます。

そして、脳科学者 加藤 俊徳氏(*世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測
「fNIRS(エフニルス)」法を発見)は、
脳の成長について、非常に興味深いことをおっしゃっています。

「年をとることは自分自身の人生に近づくこと、
つまり自分の生き方が脳の構造に反映してあらわになっていくということです。」

自分の生き方が脳の構造に反映して、あらわになっていく。

誰でも脳のネットワークが発達するわけではありません。
ネットワークはその人の脳が経験したり、使ったりした分だけ形成されます。
ですから中高年になっても新しい経験を重ねて脳を使うことが大切です。

「50代を過ぎてからも脳に新鮮な驚きを与えて刺激し、
早寝早起きで睡眠を重視する生活リズムに切り替えれば、
脳は80歳になっても90歳になっても成長する」
とおっしゃっています。

3.年をとるほど脳が活性化する条件

ハーバード大学の研究による「年をとるほど脳が活性化する条件」がプレジデント2020年
9.4号に出ていました。(以下、引用)

脳には、年をとっても衰えない底力があることが様々な研究から明らかにされているそうです。中には、
年をとるほど向上する能力もあるというのです!

諦めるのはまだ早いとのこと。

脳の最新研究報告によると
「年を取れば物覚えが悪くなり、頭の働きが鈍くなるのは仕方ない」という既成概念を覆し、
人の脳には加齢に抵抗する底力があるということが近年の脳研究で明らかになってきた。

脳は高齢になっても可塑性(自分とその周辺の状況に応じて変化する能力)を維持し、
誰もが加齢に従って認知力の低下を体験するとは限らない。

逆に中年以降に高まる能力もあるということなのだ。

約5,000人を対象に加齢による脳の様々な変化を半世紀以上も追跡調査してきた
ワシントン大学の「シアトル縦断研究」。

認知力を測る6種のテスト中4種で、高齢者の成績は20代よりも良かった。

記憶力と認知のスピードには加齢に伴う低下が見られたが、言語力、空間推理力、単純計算力と
抽象的推論力は向上していた。

この研修は加齢による記憶の低下には個人差が大きいことも明らかにした。
被験者の15%は高齢になってからのほうが若いときより記憶力が優れていた。

(一部省略)

トロント大学のシェリル・グレディー博士によれば、
高齢者は一つの作業の達成にむけて若年層が使わない脳の部位も活性化されている。

若年層は単純作業に左右の片方の脳しか使わないが
高齢者では左右の脳を活用する傾向が見られ、活用する部位が多いほど成果は良い。
高齢者は若年層より物の見方が前向きになることも
南カリフォルニア大学の研究が証明している。

また40歳を過ぎた頃からネガディブな記憶より
ポジティブな記憶のほうが増え、その傾向は80代まで続く。
つまり感情に左右されにくく、スレレスに強くなるということだ。

脳はすぐれた可塑性があり脳の備蓄、維持、補償がうまくできれば
70代、80代になっても人は優れた脳力を保てます」とクレディー博士。

脳の「備蓄」、「維持」、「補償」を助ける外的要因として研究者が推奨するのは、
健康な食生活、適度な運動、様々な活動による脳への刺激、積極的な社会参加だが、
近年特に注目されてきたのは「瞑想」の効果だ。

ハーバード大学のサラ・ラザール博士によれば、
瞑想は脳の劣化防止だけでなく、実際に灰白質を増加する効果があるという。

「脳も筋力と同じで鍛えればそれだけ育ちますが、脳を鍛えるには激しい運動をする必要はなく、
頭を雑念から解放し休ませる瞑想やヨガ、気功などが効果的なのです」
とラザール博士は語る。
(引用終わり)

まとめ

いかがでしたでしょうか?
人生100年時代、健康で幸福度を高く生きるには、脳も人間関係も仕事も
「柔軟性」と「ネットワーク」がミソですね。
50歳を過ぎてから、右肩上がりの人になるのか、右肩下がりの人になるかは、
自分の選択、行動、生き方そのものが影響します。
「脳のネットワークはその人の脳が経験したり、使ったりした分だけ形成される」
という事実は、人間関係においても仕事においても当てはまりますね。

「脳は与えられた環境に対して柔軟に適応することができる」
という脳の可塑性を活かし、呼吸に意識を向ける瞑想など、
毎日、1日5-10分程度から実践を継続してネットワークを育てていきましょう。

脳も人間関係もネットワークの発達が人生100年時代を豊かにすることでしょう。

記事の著者

生嶋 幸子Sachiko Ikushima

  • ホールシステムコーチング®共同開発者
  • 国際コーチング連盟マスター認定コーチ(MCC)(関西女性初)
  • ホールシステムコーチング®認定プロフェッショナルコーチ

株式会社コーチ・アイエヌジー 代表取締役
自社開発したホールシステムコーチング®が2014年国際コーチング連盟(ICF:本部アメリカ)からコーチ・トレーニング・プログラム(ACTP)として日本で3社目に正式に認定される。2000年よりコーチとして活動。エグゼクティブコーチング、企業向けプロジェクトコーチング、コーチ養成スクールなどを中心に人と組織の変革を行う。
2017年国際コーチング連盟グローバル・カンファレンス(ワシントンD.C)でアジア人唯一のスピーカーを務める。