優位感覚を知るとコミュニケーションが変わる〜あなたは「見て理解する派」?「聞いて納得する派」? 〜
2025.08.01

職場や家庭で、「こんなに説明したのに、なんで伝わらないんだろう…」と感じたことはありませんか?
もしくは、相手の説明がどうにもピンとこなくて、モヤモヤした経験は?
それ、もしかしたら「感覚の違い」が原因かもしれません。
私たちは、言葉だけで意思疎通をしているようで、実は、五感を通して世界を理解しています。
その中でも、自分にとって得意な感覚(=優位感覚)を中心に物事を捉えていることをご存じでしょうか?
ホールシステムコーチング®︎では学習システムと呼んでいます。このコラムでは、優位感覚に着目し、日常や組織・チームでコミュニケーションがスムーズになる、ヒントをお届けします。
1.優位感覚って何?
優位感覚とは、人が情報をインプットする際に、無意識に頼りがちな感覚のことです。
優位感覚は主にこの3つに分類されます。
・視覚(Visual):見て理解する
・聴覚(Auditory):聞いて理解する
・身体感覚(Kinesthetic):感じて理解する
この優位感覚は、性格ではなく“五感の使い方のクセ”のようなもの。
だからこそ、自分のクセに気づくことで、相手との違いに寛容になれます。
2.あなたの特徴は? 3つの優位感覚
ここでは、それぞれの優位感覚の特徴と具体的な言動例を紹介します。
たとえば、新しいスマートフォンを買おうとするとき
あなたなら、どんな瞬間に「これにしよう」と決めるでしょうか?
◎視覚優位(Visual)
・特徴:物事をイメージや図で理解する
見た目、色、レイアウトに敏感
・よく使う言葉:「イメージ湧かないなあ」
「パッと見てわかるようにして」
・行動の傾向:メモや図解を好む
テンポが速く早口で話す
例:「このカメラ性能、すごい!比較写真を見たら、画質の違いが一目瞭然」
◎聴覚優位(Auditory)
・特徴:言葉や説明を耳で聞いて理解する
話の「筋」や「論理」にこだわる
・よく使う言葉:「それってつまりどういう意味?」
「説明してくれる?」
・行動の傾向:声のトーンや言葉遣いに敏感
目を左右によく動かす
例:「店員さんが丁寧に特徴を説明してくれて、安心できた」
◎身体感覚優位(Kinesthetic)
・特徴:感触・動き・経験などで感覚的に理解する
落ち着いた雰囲気や「なんとなくの感じ」に敏感
・よく使う言葉:「なんかピンとこない」
「しっくりくる」
・行動の傾向:ゆっくり話す/聞く
体験しながら覚えるのが得意
例:「実際に手に取ってみて、軽さとフィット感がしっくりきた」
〜感覚のズレがコミュニケーションのズレを生む〜
私は身体感覚優位なので、スマホを選ぶときは
「手に持ったときのフィット感や重さ」がとても大切です。
そこで、もし店員さんが視覚優位の人で「このスマホ、デザインが人気でカラーも豊富なんです」と説明してくれても、正直あまり響きません。私にとっては、“手になじむ感じ”や“操作したときのしっくり感”が購入の決め手になります。
3.優位感覚を活かした関わり方
では、優位感覚の違いをどうコミュニケーションに活かせばいいのでしょうか?
ここでは3つのコツをご紹介します。
① 相手の使う言葉に注目する
相手がよく使うフレーズを観察してみましょう。
「見てみないとわからない」→ 視覚優位
「ちゃんと聞かないと」→ 聴覚優位
「なんか気になる感じがする」→ 身体感覚優位
相手の言語パターンに合わせて伝え方を変えると、グッと伝わりやすくなります。
② 説明の仕方を変えてみる
例えば、同じ企画案を伝えるときでも
視覚優位の人には→図・表・写真で伝える
聴覚優位の人には→ストーリーや論理で話す
身体感覚優位の人には→体験談や「こんな空気感」を共有する
相手の得意な感覚に合わせて伝えることで、理解力と納得感が飛躍的にたかまります。
③ 自分の優位感覚を理解しておく
自分が「見てわかるタイプ」なのか、「聞いて理解するタイプ」なのかを知っておくと、相手との違いに対してイライラせずに対応できるようになります。
たとえば、「なんでこんなに長い説明をされるのか?」と感じるときも、「あ、この人は“話すことで理解する”特性なんだな」と気づけば、受け止め方が変わってきます。
〜違いを知れば、関係性が変わる〜
人には、それぞれ「情報の受け取り方」に特徴があります。
それが優位感覚です。
「視覚・聴覚・身体感覚」どれが良い悪いではなく、ただ「違う」だけです。
4.コミニュケーション向上のために
優位感覚を理解していると、相手に合わせた伝え方が自然とできるようになります。
それは、「わかってもらえた」という安心感や、「この人は話しやすい」という信頼につながります。
例えば、会話がかみ合わなかった相手とでも、
「もしかしたらこの人は◯◯特性かもしれない」と視点を変えることで、
伝え方を工夫する余地が見えてきます。
すると、不思議と相手の反応も変わり、対話の雰囲気が和らいだり理解が深まったりします。
これは、営業やマネジメント、家庭の会話にまで応用できます。
どんなに正しいことを言っていても、相手に届かなければ意味がありません。
逆に、相手の感じ方に寄りそえれば、少ない言葉でも深く伝わります。
「伝える」よりも「届く」に意識が向くと、
コミュニケーションは一方通行ではなく、共感を生む循環になります。
その積み重ねが、人間関係やチームの雰囲気を変えていくことでしょう。
まとめ
自分と相手の違いに気づくと相手への理解や伝え方が大きく変わり、コミュニケーションの質が格段に上がります。
ビジネスの場や家庭でも、様々な人間関係で対応できる「感覚の視点」。
「この人は、どんな感覚を大切にしているんだろう?」とご自身に問いかけて、あなたの対話をより豊かなものにしていきましょう。
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