脳の使い方を変えるWeメソッド®WSC ホールシステムコーチング®Whole System Coaching

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自分自身を理解し学びを加速する「メタ認知とは」

2024.03.01

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このコラムでは、メタ認知の概念とその重要性をお伝えします。
メタ認知をうまく使って、私たちひとりひとりが生きやすく、自分の可能性を伸ばしていく。
そうすることで、周りの人たちにも幸せな方向に向かうことができるのではないかという思いです。

そして、私がコーチングで学んだ経験を紐づけして考えてみました。

1.メタ認知とは?

メタ認知とは、アメリカの心理学者ジョン・H・フラベルが1970年代に定義した概念で、
もとは「認知心理学」で使われていた用語。
「メタ認知」とは、「認知していることを認知する」ことです。
つまり、自分の思考、感情、行動を客観的に観察し、理解することです。
また、「もう一人の自分」と言われたりします。

コーチングセッションの中でも、クライアントの話しがどうもかみ合わないと感じたときや
目標から離れた話しになった時には「話したいことは話せていますか?」や「今日の目標は何でしたっけ?」などと一旦その場から離れて客観的にとらえなおすことがあります。

2.メタ認知で学ぶ力をたかめる(頭を上手につかう)

メタ認知を効果的に使うためには、自分の認知過程を理解する必要があります。
そのためには、まず自分の思考や感情、行動を観察し、第三者的な視点をもつことが大切です。
具体的には、以下のような方法があります。
・自分の思考や感情を書き出す
・自分の行動を振り返る
・他人に自分の考えや感情を聞いてもらう

そして、頭を上手に使うには下記2つのことがあります。
①睡眠と就寝前の時間の活用
睡眠が頭の働きに深く関連しているのは、誰しも感じられていると思います。
就寝前は記憶(覚える)のゴールデンタイムです。

これは眠りにつく前の時間帯に入力系(覚えておきたいこと)の勉強をしておくと、
効率がよいというものです。
わずかな手間で頭が勝手に覚えてくれるといったかんじです。
実は脳は睡眠中にも、新しい情報を整理し定着させる活動しています。

そして、もう一つ大きな就寝前効果があります。
それは「入力した情報が守られる」ということです。
あることを学んだ後に、別のことを学ぶと、先の学習が妨害を受けてしまうという現象です。

私も寝る前にやっていた習慣があります。
寝る前はリラックスした方が良いと思い、動物の動画をよく見ていました。
それは寝る直前の記憶になってしまうので、情報が書きかえられてしまいます。
記憶学習のあとは、さっさと寝てしまうのがよいでしょう。

②他者との交流が思考・発想の能力を高める
アイデアを出し合う発想方法としてよく知られるものに「ブレインストーミング」があります。
それは次の4つのルールを守ってアイデア出しを行います。
 1.できるだけ多くのアイデアをだす
 2.自由奔放な考えを尊重する
 3.出されたアイデアを批判しない
 4.アイデアどうしを結合し改善する

本当に何を言っても大丈夫だ、受け入れてもらえるという安心感がもてることが大切です。
メタ認知を働かせてこうした条件を満たすとき、ブレインストーミングは非常に効果的なアイデアの算出法となります。

更に発想を促す方法として、コーチングの「基本の基」
相手の話しを聴くときに、うなずきながら熱心に相槌を打つという方法です。

興味をもって肯定的に「うんうん」といった相槌を頻繁に打つと
打たなかった場合に比べてアイデアの産出量が、大幅に増えたという実験結果が紹介されています。 
否定されない安心安全の場から複眼的な発想がひろがります。
ご存知の通り、コーチングでは相槌は「頻繁」に打つものではなく、リズム・波長を合わせて、心理的な関係性を築くために「適宜」打つものです。

WSCアドバンスコースで、私はブレインストーミングの技法を
「チームコーチング」で経験しました。

安心安全な環境で、どんな発言も批判されないので
発想がどんどん広がります。
ブレインストーミングが機能する前提として大事なことは、チーム全員で創った「私たちのグランドルール」があります。

例えば
・メンバーの発言に拍手をする
・口角を上げていつも笑顔でいる
・オープンに発言する

毎回チームコーチングを始める前にチームメンバー全員で「私たち」のグランドルールを復唱します。

3.メタ認知でファンデーションを整え、やる気をだす

メンタルブロックをはずし、メタ認知でやる気をだす。
メンタルブロックとは、自分の可能性を狭めてしまうような思考や感情のことです。
・「自分はできない」
・「自分には才能がない」
・「失敗したらどうしよう」
などの思考や感情が、メンタルブロックの典型例です。

自分はどうせできないのだという諦めの気持ちになったことは、
どなたにもご経験あるんじゃないでしょうか?
メタ認知を使ってメンタルブロックをはずすためには、
自分のメンタルブロックを認識することが大切です。
自分のメンタルブロックを認識したら、それを客観的にとらえてみましょう。
例えば、
・その思考や感情は、本当に正しいのか
・その思考や感情は、本当に必要なのか
などと問いかけてみましょう。

自分のメンタルブロックを客観的にとらえることができたら、
それを解除するための方法を考えてみましょう。
例えば、
・自分ができる理由を探す
・成功体験を思いだす
・失敗を成功につなげる方法を考える
など、さまざまな方法があります。

メンタルブロックはどうやら癖になるようですから
「できない」という呪縛からは、できる限り早くのがれましょう。

4.メタ認知筋を育てる

①自分で考える
指示を待ったり最初から人を頼ったりするのではなく
まず自分で考えてみるという主体性を持つことが大切です。

②他者理解 
他人の考えや感情を理解する
相手の立場に立って考えるようにする。

③柔軟で多面的な思考を身につける
自分の考えにとらわれることなく、他者の考えをとりいれる。
柔軟で多面的な思考「創造的思考」を身につける。

メタ認知筋を育てるのはWSCコーチの指針「COACHウェイ」にも通じています。
・Creativity
探求心を発揮し、相手の自由な発想を創造する
・Openness
自己開示と愛をもって、協働で信頼関係を築く
・Accountability
主体的に実行し、挑戦し続ける
・Connected
自分、相手、場とつながる
・Holistic Approach
全体的にアプローチする

まとめ

変化の激しい不確実で先行きの不透明な社会の中で、
巷にあふれる情報を自分で選択し、他者との関わりの中で気づきをいかす。
多様性を受け入れながら、協働していくためにも、
メタ認知やコーチングを取り入れたいと考えます。

一見ネガティブに思える出来事であっても、他の解釈をさぐることで
自分の気持ちを楽にし、豊かな人生につながることでしょう。

記事の著者

木村 千鶴Chizuru Kimura

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟アソシエイト 認定コーチ(ACC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

子育てが終わり自分の時間を持てた頃から、第2の人生を豊かに送るために何かを探し求めていた2016年「コーチング」に出会う。2019年WSC認定プロフェッショナルコーチ、2021年1月にACCを取得し、現在まで約400人にコーチングを提供。取り扱った主なテーマ(内容)は、セカンドライフの充実・本の出版・資格取得・タイムマネージメントとモチベーション維持・自己理解・キャリアアップ・家族との関係性・起業など多数。