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成功体験を共有する

2018.11.15

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人や組織が成長する上で「成功体験を共有する」ことがどのように有効かについてまとめました。

1.「成功体験を共有する」とは?

「成功体験を共有する」とは、ある人や組織が成功した方法を、他の人や組織にも適応して同じように成果が出せるプロセスとして確立することです。

すでによい成果の出ているプロセスを得ることは、失敗も最小限に抑えられ、効率も上がります。やる気満々で失敗をいとわない人でもゼロから始めて試行錯誤を繰り返すよりはるかに効率よく成果に近づくことができます。また、会社組織などでは社員の育成がはかどり、業務の質管理も向上します。

2.マニュアルによる管理との違い

「マニュアル」は、使い方・手順を示す取扱説明書ですが、機械の操作など誰がやっても100%同じ結果を導ける場合、非常に役に立ちます。
しかしなから、私たちが「成功」、「成果」と呼ぶものは機械の操作のように100%同じ結果のものでしょうか。

想像してみてください。
たとえば、あなたが何か特別な旅行を手配するとしたら、どんなことを大事にしてほしいと感じますか?

料金・行先・ホテル・食事・旅程など条件は個人によっていろいろ異なってきますよね。このような条件は旅行社のパンフレットにも書いてあるので、日程や料金の条件だけならパンフレットで決めることもできます。

旅行社で話を聞いて決めたい動機は何でしょうか?

「営業職で売り上げを上げ、ノルマを達成する。」、「お店のリピート率を上げて売り上げを伸ばす。」など、扱っているものが製品やサービスでも状況やタイミング、相手の反応、そして、本人自身の個性によって、マニュアル通りにやっても同じ結果が出ることはほとんどないですし、成果・成功自体が様々なので、マニュアルでは対応できないと認識されます。

「成功体験の共有」では、マニュアルのような固定した手順ではなく、確立した成功プロセス、フレームワークをたどることで成果目標に向けた行動を管理することができます。個人の差や状況による差についても最少に抑え修正や改善が可能な範囲で遂行することを可能にします。

3.成功体験とコーチング

成功体験の共有は、マニュアルでの運用をレベルアップさせたものと捉えられがちですが、マニュアルのような平均化した対応やミスを防ぐためのものではなく、実際に行動を起こす本人が感動するような「成功」のためにより質を上げたいと思い、自らの成長を願い研鑚していくプロセスを備えることが目的になります。

このような状況で役立つのがコーチングです。「成功体験の共有」を足掛かりに、個々がそれぞれの「成功」のために必要なプロセスを備えていくためにはとても有効です。
コーチングで目標に向かって何を?何のために?誰と?どのように?やるのかを創造していくプロセスをたどることで、本人の強み、できているところ、軌道修正が必要なところを知り、成長が促進されるからです。

まとめ

「成功体験の共有」について、現場では言葉にできない部分もあるなど確立・体系化が困難という意見もありますが、組織などでは業務レベルの底上げに役立つこと、個人においても「成功」への足掛かりとして効率的な行動を可能にし、コーチングによりプロセスを確立していくことができるので、有効な手法の一つと言えます。

記事の著者

藤生 あゆみAyumi Fujiu

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

美大を卒業しアパレル業界に就職後、渡英。そこで対話を通して学ぶアプローチに理想を見出す。日本に導入するため帰国し、日本語教員になる。30歳で教育ディレクターに就任し、対話型教育モデルをつくるため教員養成・教材開発に情熱を注ぐ。10年ディレクターを務める間にコーチングに出会い、自校に導入。2003年よりコーチとしての活動も開始。異文化コミュニケーションへの見識を活かしユニバーサルチームコーチングを実践中。