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強いリーダーが良い組織をつくるとは限らない

2019.02.13

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今、求められるリーダーとは、どんなリーダーなのでしょうか?
必ずしも強いリーダーが必要なのでしょうか?
強いリーダーがいないことで組織が成長していく可能性について、見ていきましょう。

1.リーダーとリーダー像

リーダーと聞いてあなたはどんな人物を想像しますか?
歴史上の偉人と呼ばれる人や報道に登場する各国の代表、グローバル企業の創業者、身近なところでは父親、子供の頃の担任の先生、部活の先生やキャプテン、あるいはバイト先の店長という方もいるかもしれません。

組織を持った時、上司・マネジャーとしてチームでリーダーシップを発揮するにあたって、これまで先輩上司たちがそうしてきたように、自らが先頭に立ちイニシアティブを取り、自らの背中で部下たちを引っ張るような「強いリーダー」こそが、イメージとしてあるべき姿だと考えている……。

しかしその一方で、実際に自分でそれを実行しながらも、なかなか部下がついてきてくれない、思うようにチームとして成果を挙げられないことに恥じ入るような思い、または「このやり方は自分には合っていない?」「自分はリーダーに向いていない」と違和感を抱いている方は少なくないのではないでしょうか。

それでも、周囲からも、「ビジョンを明確にして、みんなを率いていくべき」「弱いところや苦しいところを見せてはならない」と教えられ、先輩や同じ管理職仲間の話を聞いていると、その多くが「弱みを見せると、信頼を失ってしまうのではないか」と話している。
やはり、先頭で旗を振ってリードしていくのが、リーダーのあるべき姿だと思ってしまいます。

しかし、もし、あなたが何でもできる強いリーダーを実践する一方、どこかで自分の限界、事業や組織が自分の器以上に大きなものにはならないといった限界や頭打ち感を抱えているなら、そろそろ変容すべきステージに来ているのではないでしょうか。

2.強いリーダー、強すぎるリーダーシップの弊害

組織のリーダーはリーダーシップを取らなくてはいけない。メンバーを動機づけ、チームを目指す方向に導いていくことが求められます。

しかし、強いリーダーは弊害も生じさせます。強いリーダー、いわゆるカリスマ的支配型リーダーからいつも適宜的確な指示が出され、メンバーはそれに従って指示通りに動きます。たとえリーダーの考えややり方に賛同していなくても強い指示を出されれば従わざるを得ません。

そうなると、本音は別のところにあっても本音も言わなくなります。さらに言われた通りにやるだけなので、自分で物事を考えなくもなります。
また一方で、昨今のスピード化時代においてリーダー自身もすべての情報を把握して的確な指示を出すことがとても難しくなっています。

3.今、求められる、これからのリーダーのあり方

強いリーダーの支配的リーダーシップでは組織のパフォーマンスを上げ成長することに限界が認められはじめた今日に求められるリーダーシップとはどんなものかを考え、注目されるリーダーのあり方を紹介します。

「支えられるリーダーシップ」。
時には部下に頼ったり、弱みを見せたりすることが、かえって部下の自律性や責任感を高め、チームのパフォーマンスアップにもつながるのだと言います。これまで強いリーダー像を追い求めていた人にとっては、「周囲に支えられるリーダーシップ」というのがなかなかしっくりこないかもしれませんが、私自身の体験をここで紹介します。

私がかつて日本語学校の主任教員兼ディレクターの職についていた時、学校のカリキュラムから運営、教員採用、学生募集のための説明会などすべてを一人で担っていました。仕事が過密になると職員室のソファーで寝袋に入って寝るなんてこともしばしばありました。
ある日、海外出張から帰り、学校から帰宅途中に事故に遭い入院しました。翌日から教員採用試験が始まるのに「私がいなければ!」と思うのに動けない。3ヶ月の間、学校を不在にせざるを得ませんでした。

ところが、その私の不在を教務職員たち皆で協力してフォローしてくれていました。
採用者の選別も答案と実技ビデオをみんなで見てディスカッションをしながら、自分たちの仲間になれる人材を選んでいったとのことでした。この時、私が一人で背負い込んで彼らの能力に気づかず機会もつくっていなかったことに気づきました。

それからは、相変わらず率先して動きだすものの、彼らともっとディスカッションを持ったり、運営の機会を提供したりすることで職員全体の自主性が上がり、以前に比べ学校全体の活気も上がりました。私自身も心労も緩和され、彼らの気づきや学んでいることから学べ、学生だけではなく職員の彼らを支援していくことが結果として学校の成長につながりました。

まとめ

一人でがむしゃらになるより、部下・仲間、同志と支え合うことで、より大きな目標・ビジョンの実現が可能になります。部下や仲間から本音のフィードバックをもらえるリーダー、私たちと一緒に目指しましょう!きっと見晴らしのよい景色が待っていますよ!!

記事の著者

藤生 あゆみAyumi Fujiu

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

美大を卒業しアパレル業界に就職後、渡英。そこで対話を通して学ぶアプローチに理想を見出す。日本に導入するため帰国し、日本語教員になる。30歳で教育ディレクターに就任し、対話型教育モデルをつくるため教員養成・教材開発に情熱を注ぐ。10年ディレクターを務める間にコーチングに出会い、自校に導入。2003年よりコーチとしての活動も開始。異文化コミュニケーションへの見識を活かしユニバーサルチームコーチングを実践中。