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自分のシステム/立ち位置について

2025.03.01

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今月のコラムは、日々の様々な関係性の中での自分の立ち位置/ポジションについて振り返りの機会を提供します。そして、その関係性での今の立ち位置は、自分で選んでいることを自覚し、新たな選択の機会を探りましょう。

1.関係性について

関係性とは、個人・集団・物事の間に存在する相互のつながりや影響のことを指します。目に見えるものと見えないものがあります。
デジタル大辞泉では、関係性とは、人と人や、二つ以上の物事が互いにかかわり合い、影響をおよぼし合う性質。

様々な関係性がありますが、主要な要素は以下の5つとします。
・自分との関係:自分の心・技・体 (1つのシステム)
・人間関係:家族、友人、職場などでの相互作用
・社会的関係:文化、経済、政治などの影響を受けたつながり
・物理的関係:物質・空間・環境との相互作用
・生態系の関係:生物と環境の相互作用(食物連鎖など)

また、関係性は、環境にも大きく影響を受けています。
関係性は、環境の影響を受けながら変化し、社会や個人の成長に重要な役割を果たします。
・自然環境:気候や地形が人や生物に影響を与える
・社会環境:教育・経済・文化が個人や社会の関係性を形成する
・技術環境:インターネットやAIが人々のつながりを変化させる

協働(コラボ)する時間が20年前と比べて、50%増加している。
グローバルで、複雑で不確実な現在、多くの組織は、チームで行う仕事がどんどん増えています。
従業員はレベルを問わず、協働する時間が20年前に比べて、50%増加しているそうです。
(Harvard Business Review 2016.1.1)

コラボレーション/collaborationとは、2つ以上の個人やグループが協力して特定の目的を達成することを意味する表現。(Weblio辞書)
デジタル大辞泉では、コラボレーションとは、異なる分野の人や団体が協力して制作すること。
また、制作したものをもいう。共同制作。共同事業。共同研究。協業。合作。コラボレート。コラボ。

チームで仕事をコラボ(協働)する上で、何に着目したらいいのでしょうか?

このコラムでは、関係性に着目します。

2.I am OK,You are OK 私もあなたもOK

I am OK ,You are OKなどという「OK Corral / OKコラル」は、1971年にアメリカの精神科医フランクリン・アーンスト氏によって考案された、4つの人生におけるポジション(立ち位置)をあらわしています。
*コラルとは、「(家畜用の)囲い」の意味。「牧場」と日本語訳されていることもあります。

余談ですが、OK牧場と言えば、タレントのガッツ石松さん。テレビでよく言っていましたよね。
フランクリン・アーンスト氏のOKコラルとは関係ないようですが、OK牧場という言葉の響きはなぜだか元気になります。

さて、私もOK(自己肯定)、あなたもOK(他者肯定)が理想的な関係性です。
この考え方に触れたのは30年以上前でしょうか。OKコラルという名前で提唱されているとは知りませんでした。
現在、イギリスのコーチングスーパービジョンのプログラム(CSA)を日本語通訳付きで受けていて、コースの中で、学び直しました。

ご自身の関係性を点検してみると、いかがでしょうか?
何に気づきましたか?

関係性は、何も人との関係性だけではありません。前述の通り、私たちの周りにはさまざまな関係性が存在します。
仕事やコミュニティとの関係性などを可視化するときにも使えそうです。

3.I am OK,You are OKをこえて 「We are OK」

協働(コラボ)する時間が20年前と比べて、50%増加している時代です。
そして多様な価値観で、スピードの速い時代です。まず、対等なパートナー関係でコラボするには、「I am OK /You are OK」がベースになります。
自己否定があったり、他者否定が起こった経験は誰でもお持ちでしょう。
自分の立ち位置に気づいたら、私もあなたもOK(自己肯定、他者肯定)に戻りたいものです。
頭でわかっていても、心がついてこないこともあります。

世界に目を向けると、対等でない、力がものを言う社会を目の当たりにしています。
国の経済力、軍事力、発言力に格差があるのは事実で、力でねじ伏せています。
私はOKだが、あなたはOKでない(I am OK /You are not OK)の立ち位置です。
自分(自分たち)が1つ上のポジションで、相手を下に見ています。

では、自分の日常の人間関係で力関係がないのかというとそうではありません。
関係性には、何らかのパワーバランスがあるのも事実です。
もしかしたら、癖で自己否定して、一つ下のポジションに、自らなっているかもしれません。
無力を感じると同時に、依存的で楽を感じているかもしれません。
あなたはOK、私はOKではない(You are OK/ I am not OK)
まずはI am OKから。

そして、「I am OK /You are OK 私もあなたもOK」 の立ち位置をこえて、「We are OK 私たちOK」の意識、立ち位置になっていったらいいなと。弊社が提唱するWeメソッド®︎の考え方です。
「私たちOK」は、健全で発展的なコラボに適した関係性です。
主語を「私たち」で話し出すことでも、マインドセット、立ち位置が変わり出します。
まずは、「私たち」をつかって対話しましょう。システムが「私たち」で動き出すことでしょう。

まとめ

個人のマインドや思考態度は、対人関係や環境との関わり方を大きく左右します。
固定観念や偏見は、対立や誤解を生みます。オープンマインドで、健康的で対等な関係性を築いていきたいものです。まずは自分の関係性を見直し、そして、対話では、「私たち」主語を使ってみましょう。

記事の著者

生嶋 幸子Sachiko Ikushima

  • ホールシステムコーチング®共同開発者
  • 国際コーチング連盟マスター認定コーチ(MCC)(関西女性初)
  • ホールシステムコーチング®認定プロフェッショナルコーチ

株式会社コーチ・アイエヌジー 代表取締役
自社開発したホールシステムコーチング®が2014年国際コーチング連盟(ICF:本部アメリカ)からコーチ・トレーニング・プログラム(ACTP)として日本で3社目に正式に認定される。2000年よりコーチとして活動。エグゼクティブコーチング、企業向けプロジェクトコーチング、コーチ養成スクールなどを中心に人と組織の変革を行う。
2017年国際コーチング連盟グローバル・カンファレンス(ワシントンD.C)でアジア人唯一のスピーカーを務める。