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失敗×コーチング

2026.07.01

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私たちは日常のあらゆる場面で「失敗」を経験します。仕事でプロジェクトが思うように進まなかったり、目標に届かなかったり。失敗はネガティブなものとして捉えられがちですが、本当にそうでしょうか?近年の研究や心理学の知見は、失敗が私たちの成長や成功に欠かせない貴重な学びの機会であることを教えてくれています。
コーチングの現場でも、「失敗をどう扱うか」がクライアントの成長を大きく左右します。
今回は、失敗の本質とコーチングの関係、さらに組織やチームでの活かし方について考えてみましょう。

1.失敗とは何か?

「失敗」と聞くと、多くの人はネガティブなイメージを抱きます。うまくいかなかった結果、避けるべきものと捉えがちです。しかし、見方を変えると、失敗は単なる結果ではなく「学びと成長の重要なプロセス」として捉えることができます。

さらに心理学者キャロル・ドゥエック氏の「固定型マインドセット」と「成長型マインドセット」という考え方に基づくと、固定型マインドセットは「能力は変わらない」と考え、失敗を自分の限界と捉えやすい。一方、成長型マインドセットは「努力や経験で能力は伸ばせる」と信じ、失敗を挑戦の一部と見なします。成長型マインドセットを持つ人は失敗から学び、自己成長へとつなげやすいのです。

2.コーチングではどのように扱うのか?

コーチングでは、クライアントが挑戦し失敗を経験することは不可避です。重要なのは失敗をどう扱うかです。失敗を「終わり」や「自己否定」と捉えず、「次への学び」として意味づける関わりが求められます。

例えば、ある営業担当者が連続で契約に失敗したことをテーマに挙げました。
コーチは、「どんなプロセスがあったのか?」、「そこから何を学んだのか?」、「自分自身に起こっていたこと(気持ち)は何か?」など、具体的な要因を共に掘り下げ、改善ポイント(事柄、人)を明確にします。
ここでいう「事柄」とは起きた現象や戦略などの客観的要因であり、「人」とはその背景にあるクライアントの感情、強み、ものの見方といった内面的要因のことです。

こうした過程でクライアントは自分の強みや課題を理解し、成長型マインドセットを育み、結果、次の挑戦に積極的に取り組めるようになるでしょう。

そして、コーチは失敗を語りやすい安心・安全な環境(場)をつくることも大切です。クライアントが失敗を隠さずオープンに話せることで、本質的な課題を深掘りできるからです。

3.組織・チームにどのように役立てるのか?

組織やチームでも、失敗を恐れずに挑戦できる文化づくりが成果を左右します。さらに、失敗からの学びを促す環境は、イノベーションや協力関係の醸成に直結します。

例えば、あるチームでは、トップダウンに従う文化が根付いていましたが、メンバーが失敗体験を共有しあうことで信頼関係が深まり、責任転嫁から協力へと関係性が改善しました。これは成長型マインドセットがチーム全体に根付いた結果です。
リーダー、そしてメンバーは失敗を罰するのではなく、失敗から何を学ぶかに焦点を当て、振り返りの場を設けることが重要です。こうした取り組みが、挑戦を後押しし、組織の持続的成長を支えます。

まとめ

失敗は避けるべき悪ではなく、成長のための貴重な経験です。
私は昔、研修の一部にコーチングを入れたいと上司に提案したことがあります。見事に却下されました。そして、プランAは失敗だったと捉え、何がダメだったのだろうかと、マイコーチとのセッションで振り返りを行いました。

そしてプランBを再提案しました。「リーダーにはコミュニケーション能力が必要なので、コミュニケーションの研修をしたい」と。これは無事承認され、私はコミュニケーションという切り口でコーチングを研修に組み込むことができました。

マインドセットの違いが失敗への向き合い方を決めます。そして、コーチングは成長型マインドセットを育てる有効な手法にもなります。失敗を安心して語れる場をつくり、具体的な振り返りを通じて次の行動に結びつけることで、個人も組織も挑戦し続けられるでしょう。失敗を学びに変え、個人やチームの可能性を最大化していきましょう。

記事の著者

コークリエイター・ちえCo-creator Chie

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ