脳の使い方を変えるWeメソッド®WSC ホールシステムコーチング®Whole System Coaching

  • Tweet
  • Share
  • Line

組織にコーチングを導入、どのように進めるのか?

2018.12.03

  • Tweet
  • Share
  • LINE

組織にコーチング導入するにはどのようにすればいいのでしょうか?
コーチングは、一対一でも一対多でも行います。1997年に日本にコーチングが導入されてから、今年で21年目です。既に、企業、教育、医療、介護、サービス、公共施設などのさまざまな業界や分野に、コーチングは拡がっています。その一方で、コーチングを導入して、効果をあげている企業とそうでない企業があり、コーチングへの評価もさまざまです。
この違いは、何でしょうか?

導入するにあたり、おさえておきたいポイントがあるのです。

1. 導入の順番

導入するにあたり、おさえておきたい最低限のポイントは、
①導入の順番 ②協働 ③評価基準を最初に決定する、という3つです。

まず、一つ目の導入の順番についてです。
組織にコーチングという新しい文化を導入するには、順番があります。

最初に、一番何としても改善したい問題の部署から着手しようとしていませんか?

問題の部署から着手して、全体的な底上げをしたいと考えるのは、必然的な考え方といえるでしょう。
しかし、組織・チームにコーチングを導入して、組織変革を図るときは、ビジョンや方針のもとに、選抜したメンバーや、業績の良い上位チームや優秀な人たちで構成されたプロジェクトチームからコーチングをはじめて、組織全体に普及していくという選択肢があります。どちらのケースを選んだとしても、経営層の方にもご参加いただいて、キックオフをして、目的と気持ちを直接、社員に伝える場を持つことが必要です。

最初はやりやすいところから始めて、成功事例をつくった方が、全社的に展開しやすいからです。鳴り物入りで何かを導入しても、結局は続かなかった、定着しなかったということがあります。このようなケースは、コーチングだけではなく、さまざまな分野において、新しいことを導入する場合にも同じことがあてはまるのではないでしょうか?また、上位と下位のチームの両方をコーチすることで、上位チームの行動特徴(コンピテンシー)と、下位チームの行動特徴とのギャップを明らかにすることができます。

2. 協働

二つ目のポイントは、協働です。
私たちコーチは、企業と契約して、組織変革やプロジェクト遂行のために、チームコーチングを行います。コーチを雇う側(スポンサー)は、契約しているからといって、コーチングを提供する会社に丸投げしてはいけません。チームメンバー・経営陣(管理者)・コーチの三者で、「私たち、一緒に」という協働関係を築きながらすすめていきます。また導入のキックオフミーティングを実施することも重要です。物事は最初が肝心です。

3.評価基準を最初に決定する

3つ目のポイントは、評価基準を最初に決定します。
第一回目に、ビジョン、目標、現状、ギャップを明らかにして、何を成果とするのかという評価基準をつくる話し合いを行います。ものさしがなければ、成果を図ることはできません。数字で測りにくいケースでは、社員アンケートやお客様アンケートなどを毎月、実施して、変化を測定します。

コーチングで成果をあげている組織・チームは、評価基準を最初に決めてから行動しています。「何ができたら、達成なのか?」その基準をメンバー全員で意見を出し合い、決定(合意)します。

4. コーチングを導入したけどうまくいかない!?

ある会社で、組織変革のために、リーダー層のみなさまを6ヶ月間組織変革コーチングしました。キックオフも実施しました。組織の中では、どちらかというと課題の多い部門でした。コーチとして、苦労した現場の一つです。本社の方針と、それを実施する現場の意思疎通が取れず、お互いに、一言で言うと、本社と現場の仲が悪い状態です。お互いに抵抗勢力になっていて、対立関係でした。

「本社の奴ら、現場のこともわからずに、勝手な方針を決めて、
 現場に押し付けてきて。上は、言うだけだけど、やるのはこっちなんだ」

「現場は、現場のことしか見えていない。新しいことを言われるとすぐに抵抗する。
 自分たちの今のやり方がいいと思いこんでいる。将来のことを考えていない」

こんな具合です。双方の言い分があるわけです。

こんな時は、どのようにコーチングしたらいいのでしょうか?

まとめ

組織にコーチングを導入するにはどのように進めるのか?
導入するにあたり、おさえておきたい最低限のポイント3つについて、お伝えしました。
続きは「組織にコーチングを導入、どのように進めるのか?②」をご覧ください。

記事の著者

生嶋 幸子Sachiko Ikushima

  • ホールシステムコーチング®共同開発者
  • 国際コーチング連盟マスター認定コーチ(MCC)(関西女性初)
  • ホールシステムコーチング®認定プロフェッショナルコーチ

株式会社コーチ・アイエヌジー 代表取締役
自社開発したホールシステムコーチング®が2014年国際コーチング連盟(ICF:本部アメリカ)からコーチ・トレーニング・プログラム(ACTP)として日本で3社目に正式に認定される。2000年よりコーチとして活動。エグゼクティブコーチング、企業向けプロジェクトコーチング、コーチ養成スクールなどを中心に人と組織の変革を行う。
2017年国際コーチング連盟グローバル・カンファレンス(ワシントンD.C)でアジア人唯一のスピーカーを務める。