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異文化コミュニケーション ’Yes’を取らなくてもいいんです!

2019.03.20

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グローバルグループの中で日本人が「和の精神」の誤解から抱えやすいコミュニケーション・ストレスについてまとめました。

1.「和をもって尊ぶ」の本来の意味

「和を尊ぶ」という言葉の本来の意味は、実は「角をたてずにみんな仲良く」ではないのです。和を重んずるべく、主張は控えるのが美徳と未だに誤解している人も多いのですが、「和をもって貴しとなす」の意味は、「立場や価値観の違いは尊重した上で、共通の目標のために力を出し合う」ということなのです。

「和」を大切にというのは、「みんなの価値観を全て同じにしよう」ということでは決してありません。
和を大事にすること。世の中には君子や父親に逆らったりして人間関係が対立したり上手くいかないこともあります。それでも、より良いものを創るため上下の身分に関係なくみんなで議論を行えば、自然と物事はうまく進むものです。

調和をもってすれば、不可能なことなどなく、世の中において大事なことは、和を重んじ活発な議論を行うことである!ということです。

2.Noと言われるストレス

ここでは、グローバルグループの事例を共有します。
日本人は日ごろの日本語でのコミュニケーション習慣から他言語を母語とする人に比べ、非常によく「確認をする」と言われています。中には100% Yesに決まっていることも確認して同意を取ってくるため、他言語話者からは合理的ではないという意見もらったことがあります。

また、アイデアを募るディスカッションの前に、予めプレセッションを求めることも日本人やアジア人にはよく見られる行動と言われています。「根回し」して本番のミーティングは合意で進行するスタイルです。
ですので、日ごろからNoと言う返事を受け取る習慣がないため、ミーティングの場で「No」や異論を出されると「ダメ出し」を受けた気持ちになり、自分の意見を修正し「Yes」に近づくよう譲歩してしまいがちで、いつも譲歩していることでストレスを抱えてしまうサイクルをつくってしまいます。

中国人の場合も公の場で「No」や異論を出されることを嫌いますが、日本人と大きく異なるのは「面子を潰された」と認識し、面子と持論を守るべく口論に発展します。
また、日本人は決定の際も誤解した「和をもって…」が働くのか十分な主張をせず、実行の段に上手くいかないことがわかると、「だから言ったのに…」というボヤキを発する人もいますが、これは後の祭りで無責任な言動として非難されます。

3.違いを尊重して目標のために協力する

「対立(コンフリクト)」は価値観が違えば起こることは当然ですよね。それをないものにしようとするから歪みが生じます。また、ケースや状況によってフィットする方法が違う場合でもいつも同調型の解決策をとって上手くいかないということもよくありますよね。「押してもだめなら引いてみろ!」です。

ここで私の勤務先で行われているコンフリクト・ハンドリング(対立状態への対応)のトレーニングを参考までに紹介します。

コンフリクト(対立)への5つのアプローチ・タイプ

■グラディエーター(戦士)型・・・目標達成すべく徹底して予定通りに実行する。
対立があってもブルドーザーよろしく強引に遂行する。
時に人の感情や心理は顧みない。

■ヒドラー(win-win)型・・・全ての人にとってハッピーな解決策を見出そうと創造性を発揮する。
テーマが壮大に膨らみゴール設定がしにくく未達になりがち。

■コンプロマイザー(妥協・折衷)型・・・その場その場での妥協や折衷案を採用する。
両者50%のため、満足はない状態。

■友好(言いなり)型・・・常に相手から学び、他者の価値を優先し調和を大切にする。
持論を出さないため、満足しているかも周囲からは理解できず
お人好しと思われる。

■極楽鳥(棚上げ)型・・・対立が発生したら、今はその時ではないと嵐が過ぎるのを待つ。
事が手におえる状況になったら対応する。それまでは深く考えず放っておく。

まず、直観であなたはどのタイプだと思いますか?どの傾向が強いでしょうか?

トレーニングはそれぞれに長短があることをまず理解し、それぞれのアプローチが有効なケースや場面をリストにしたり図にしたりして客観的にマッピングし、TPOに合わせて選択できるようにすることで対応スキルを上げる目的で行われているものです。
(出典:mindgym DR5510/USより抜粋)

まとめ

コンフリクト(対立)と聞くと、あなたはどんな感情を持ちますか?
日本人の多くの方がまとめようとする傾向が強いのかコンフリクトに対してとてもストレスを感じてしまうようですが、これも個性や価値観、強みの現れと認識したら見え方が違ってきませんか?
今回は、異文化コミュニケーションという観点からお伝えしました。
そして、隣人、同じ日本人同士でも、家族であっても異文化理解の心構えで関わると、その視点が新鮮だったり、新たな共創の形がきっと見えてくることでしょう。
大事にしていることがとても現れて、相手を知る絶好の機会と思えるように一緒に学びましょう!

記事の著者

藤生 あゆみAyumi Fujiu

  • WSCコークリエイター
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ