脳の使い方を変えるWeメソッド®WSC ホールシステムコーチング®Whole System Coaching

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コーチングは時間がかかる?

2019.09.01

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これは よくある質問です。
「1回のコーチングで成果が出るものですか?」
「ヒトは一足飛びに変わらないでしょう?」
「どのくらいで変化があらわれるものですか?」

私の経験で答えると『早い人で1回目の30分です』
(これは、私とクライアントさまとの実体験です)

では、どうしたら望む成果を希望する時間で生み出すことができるのでしょうか?

1.コーチングの成果物とは

コーチングの成果を何で測定するのでしょうか?
コーチングの成果は、クライアントが立てた目標の達成で測ることができるといえるでしょう。即時から1ヶ月程度の短期目標、半年から1年あたりの中期目標、それ以上の長期目標など、期日内に望む状態を得られることが成果物です。
 
目標をどのように立てたらいいのか、迷ったことはありませんか?

実は、目標の立て方にはコツがあります。
例えば、
「いつまでに」「いつから」「継続できていること」「~(の状態)を手に入れること」「~を—(な状態)に変えること」「具体的な数値」「~という相手からの言葉で測る」
など。

ホールシステムコーチング®では、次の4ルールで効果的な目標設定をします。
(1)測定可能であること(何をもって達成とするか)
(2)主語が私(または自分を含むチーム=私たち)
(3)肯定的な表現(~しない←×、~する←〇)
(4)ワクワクするような感覚に基づくイメージを描く
 
そして、コーチとクライアントは目標を共有し、進捗を共有します。
シビアな表現をすれば「費用対効果」を確認する上でも、とても重要なことと言えるでしょう。

2.時間のかかるケース

成果を得るのに時間がかかってしまうケースに、ありがちな要素を挙げてみましょう。

(1)コーチとクライアントが良好な関係性を築いていない
互いに遠慮があったり、クライアントが本音を語らず表面だけを話したりという時間になっています。

(2)コーチの能力が不十分である
クライアントの発する重要なサインを見落としたり、コーチの解釈で話を進めたりしています。

(3)クライアントが主体的でない
コーチが何か質問をしてくれる、ひいてはアドバイスしてくれる、と依存していることがあります。

(4)行動しない
当然のことながら、クライアントが行動することでしか、最終の成果は得られません。
但し一方的にクライアントだけの責任とも言い切れません。行動計画に無理がある、行動を起こすための新しい構造をつくっていないなど、コーチとクライアントとの協働不足とも考えられます。

(5)状態が整っていない
集中できない環境にある、気になって仕方のないことがある、覚悟が決まっていない、などクライアントの状況です。会社組織などでは、個人の状況に加えて、組織のしくみなど全体を同時に構築する必要があります。

(6)そもそも成果を得たいという意思がない
これについては、何のためにコーチをつけるのかを考え直す必要がありそうです。
または、会社(スポンサー)からの依頼で、受け身で受けている場合もあります。

(7)コーチングが何かの理解がないまま進んでいる
他のコミュニケーションとの違いやコーチングの構造、共通のルールなどが把握できていないです。 
事前のオリエンテーション不足の可能性があります。

私がコーチングを学び始めた頃、練習のためにこちらからお願いしてクライアントになってくださった方との会話を例にあげてみます。
(コ:コーチ  ク:クライアント)

コ『何について話しましょうか?』
ク『え? 何について…ですか? 特には…。』
コ『例えば達成したいことだとか、困っていることだとか、先送りにしていることだとか。』
ク『悩みは今のところないです。目の前のことを坦々とやり進めることが良いと思っています。』

というクライアントに対し、練習だからと5回のセッションをご体験いただきました。
上の(1)〜(7)の典型事例です。

終了後のフィードバック(アンケート)では、コーチングを通して変化があったか、という問いに対し、
「60分×5回で5時間を使ったが、正直に申し上げて変化は感じられなかった。」と書いてありました。
率直なフィードバックをいただきました。
今にして思えば、この状態であと5回追加したところで、成果には結びついていないでしょう。

3.コーチングが機能する要件

当然ですが、成果を得るためにはコーチングが機能している必要があります。
ICF(国際コーチ連盟)の定める能力水準の中から、いくつか抜粋します。

・コーチング、コンサルティング、心理療法、その他の支援の専門家の、職業としての違いを明解に伝えている。
・相互に尊敬と信頼が継続するよう、安全で支援的な環境を生み出す。
・クライアントとコーチそれぞれの責任について合意している。
・クライアントにとって重要な早期の成果とは何かを特定し、目標設定している。
・クライアントが決意した行動について尋ね、フォローを示す。

主題を決めるのはクライアントの役割ですが、それ以外の時間はすべてコーチとクライアントとの「協働」で進めていきます。「共に力を出し合う」という関係のことです。また進め方や受け方などを、納得のいく状態にしておくことが大切です。
 
冒頭に述べた初回の30分で成果につながったクライアントさまの事例ですが、
既に関係性ができている(と私が感じている)ところから初回のセッションを実施しました。コーチの私は、オリエンテーションでコーチングの説明や守秘義務などの約束事項を丁寧に説明しました。一方クライアントさまは、人生初のコーチングセッションだったそうですが、そもそも話したいこと(達成したいこと)があり、自身のための時間であると認識していらっしゃいました。30分のセッションで、行動計画が明確になりました。
 
但し、セッション中に成果を得ることはほとんどありません。コーチと話して決めた行動計画に基づき、
その後クライアントが実行することで得られるものが成果です。そのクライアントさまは早速行動をされました。お互いの信頼がさらに増したように感じます。

実際、行動すれば、成果は得られます。
そして、行動しなければ、成果は得られません。

そのためには、行動を起こすための構造がとても必要になります。
そもそも行動計画に無理がある、あるいは行動を起こすための行動が不明確(最初の1歩を踏み出すための行動までは話していない)、古い考え(信念・価値観)のままでは、確実な行動に結びつきにくいでしょう。
また、会社組織などでは、個人能力だけの問題でなく、組織・チームのしくみの問題があります。大切なのは、クライアント(個人・組織)が新しい行動を生み出せる構造をクライアントとコーチの協働で共創することです。

まとめ

コーチングは時間がかかるのか?という問いに対して言えることは、時間のかかるやり方をしている
つまり成果を生み出すやり方になっていないという場合に起こることでしょう。
コーチによる丁寧な説明・クライアントの主体性・互いの信頼関係、新しい構造、これらが整うことによってより短期でより良い成果を得ることができるのでしょう。

記事の著者

船木 優子Yuko Funaki

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

メーカー企業にて営業アシスタントを経て、新人スタッフ育成を学び担当する。テーマパークの開業準備を経験した後、人材育成の部門にてマネジメント、キャリアディベロップメント、アルバイトスタッフ育成など幅広く携わる。2004年にコーチングと出会い、社内に導入する。その後、外食産業系企業で店長や女将業の現場経験を積み、2013年に独立。現在は、プロコーチとして企業の人材育成、組織開発を行っている。