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言いにくいことを伝えるには

2018.11.30

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日常の人とのやり取りの中で、遠慮して言いたいことも言えずもどかしい思いをしたことはありませんか?
逆に、必要以上に高圧的な言い方をして関係性がまずくなり困ったことはありませんか?

多様性を認める社会が求められる中、どちらかが「正しい」「間違っている」だけの判断や評価ではますますうまくいかなくなってきています。それは、家庭でも職場でも同じです。

自分の思っていることを伝え、相手の意見も聞く、そのようなお互いを尊重するコミュニケーションとはどのようなものか考えてみましょう。

1.アサーティブとは

相手を尊重し、かつ、自分の思いや意見を尊重するコミュニケーションとして、アサーティブという考え方が役に立ちます。

アサーティブとは、「誰にもあなたらしくある権利がある」という基本的な考えのもと、自分の素直な気持ちや意見を伝えましょう、というものです。
つまり、言いたいことは言っていいし、嫌だと思うことは断っていいということです。もちろん、単に自分勝手な自己主張ではなく、相手の立場を理解し、相手の権利を侵害しないということが前提です。

世の中には、地位や立場の違いがあり、必ずしも平等とは言い切れないものがあります。しかし、人間としてはみな平等です。「私なんかがそんなことを言ってはいけない」「私が我慢しないといけない」と必要以上に遠慮し自身の言動に制限をかけすぎてしまうと、心身の不調につながったり、怒りの感情が爆発してしまうことがあります。

アサーティブに伝えるためには、まず基本を知っておきましょう。

アサーティブの基本は4つあります。
(1)誠実であること・・・自分自身に対し、相手に対し
(2)対等であること・・・どちらが上とか下ではなく
(3)率直であること・・・遠まわしに言うのではなく
(4)自己責任がある・・・「言う」「言わない」を選択した結果に対して

場面や相手によっては、言いたいけれど言わない選択をすることもあります。それは、「言えない」のではなく、「言わない」選択をしています。その場合は、自分の責任においてそれを選んでいることを知っておきましょう。

これらを理解したうえで、相手に自分の思いや意見を伝えていくことが大切です。

2.伝え方のポイント

まずは、相手に聞いてもらえる状況をつくることです。

一般的に人は、自分の立場や状況を理解してもらえていると思ったとき、相手の要望や意見を聞く気持ちになるようです。
そのためにも、日常よく知っている相手であれば日ごろの感謝の思いや労いなど、相手にとってのプラスのメッセージが伝えられると良いです。また、初めて会う人であれば、相手がどんな状況なのか想像して、相手の立場で相手が感じるだろう思いを伝えることも良いでしょう。

次に、3段論法で進めます。
(1)事実
今までどんな事実があるか、現在どうなのかを確認する。
一方的な思い込みで、お互い認識している事実が異ならないよう、そもそもどんなのことがあるのか、話の前提を合わせる。

(2)感情
事実に対し、自分はどんなことを思っているのか、感じているのかを伝える。
「私は~」で、私を主語にして伝える。

(3)要求・提案
どうしたい/どうしたくない、
どうしてほしい/どうしてほしくない
これらを伝える。要求は1度に1つ。相手ができることを伝える。

3.具体例

【職場で遅刻が続いている部下に対し注意したい場合】
部下Aは、特に最近出勤が始業ギリギリまたは3分遅れで駆け込んでくる。
先日はお客様との打ち合わせに行く約束に5分遅れて来て、渋滞も相まって、お客様を待たせる結果になってしまった。また、会議の出席も2分遅れで、役員より遅い着席になっている。
そんなとき、上司であるあなたは、、、、

上司:Aさん、少し話する時間いいかな?

部下A:はい、なんでしょう。

上司:君は、現場でもムードメーカーで人を笑わせるのが上手だと聞いているよ。
   忙しい中でも、みんなを和ませてくれているみたいだね。ありがとう。

部下A:あ、いえいえ、そんな。

上司:実は、とても気になっていることがあるんだ。
   それは、君の最近の時間管理について。
   この2週間、会社に来るのが2~3分遅くなる日が3回はあったよね。
   先週は、お客様の打合せに行く時間も遅刻したし、
   昨日は会議に来たのは開始してからだった。そうだよね?

部下A:・・・ええ、すみません、そうです。ちょっとの時間ですが、遅くなってしまって、、、。

上司:そうだね、わずかな時間だね。わずかな時間だけど、君は約束の時間に遅刻している。
   それによって、結果的にお客様や他の人を待たせることになっている。
   何か理由があるのかな?

部下A:・・・いろいろやっていると、時計を見るのを忘れてしまうことがあって、、。

上司:そうなんだね。私は、Aさんの良いところを知っているだけに、
   遅刻をすることで君への信頼が揺らぎ始めているし、
   私はそれをとても残念に思う。これからは、時間管理をきちんとして、
   約束の時間には余裕をもって準備してほしい。
   そのために、自分ではどんなことができると思う?
   私や周りの人は君にどんな協力ができるかな?

部下A:自分の性格上、一つのことに集中するとそれしか見えなくなってしまいがちなので、、、、
    そうですね、、、、これからは自分でアラームをセットするようにします。
    可能であれば、会議など皆さんが参加する際には一声かけてもらえると助かります。

上司:では、まずは自分でも遅刻しないようアラームをセットする、
   そして、来週の会議は私も参加するから声かけをするね。
   声かけについて毎回は無理だけど、来週は可能だから一度試してみよう。

部下A:はい、自分でも頑張ってやってみます。すみませんが、よろしくお願いします。

まとめ

言いにくいことを伝えるには、相手の立場を理解しようとする努力と、自分の思い・感情を率直に伝えることが大切です。

ここに示した通りに伝えたとしても、必ず相手の答えがYESであるとは限りません。

WIN-WINの関係になるように、お互いの立場と要求を丁寧に確認し、お互いが納得できる解を見つけていきましょう。

記事の著者

中村 まゆみMayumi Nakamura

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチ連盟アソシエイト認定コーチ(ACC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

大学卒業後、旅行会社添乗員、専業主婦、行政機関勤務などを経て、2008年に社会保険労務士事務所を開業。社会保険労務士、産業カウンセラーとして多数の労働相談、心の相談を経験。働く人が笑顔になれる職場づくりの提案を行っている。
企業研修では、コミュニケーション研修、マネジメント研修、個人・チームのやる気を引き出すチームコーチングなどを実施。