脳の使い方を変えるWeメソッド®WSC ホールシステムコーチング®Whole System Coaching

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痛いフィードバックもらっていますか?

2018.12.11

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特にエグゼクティブの方がコーチングを始める際に強く薦めていることは、関わる周囲の方々から事前にフィードバックを受け取っておくということです。さて、心の準備はできているでしょうか?

1.フィードバックとは

フィードバックは「伝えること」「返すこと」という意味です。つまり何かしらの行動や発言をした人に対し、事実や感じたことを告げるというものです。
コーチの仕事は
1:話を聴くこと
2:質問すること
3:伝えること
大きく分けるとこの3つであると考えられています。
この3つめにある「伝えること」がクライアントへのフィードバックにあたります。

元々は制御工学・電子工学の用語で、出力側の一部を入力側に戻し「循環作用」を作り出すというところから「帰還」と訳されていました。

2.フィードバックの目的

私たちが日ごろ自分の姿を鏡に映して確認するのと同じように、定期的にフィードバックを受け取ることで、自分が外界にどのような言動を発信し、どのような影響を出しているのかを知ることができます。そして強みや改善点が明確になれば、主体的に新たな行動を起こすことに役立ちます。
コーチングセッションの中では、コーチが感じたことをありのままに伝えることで、クライアントは自身の状態に気がつくことがしばしばあります。いわば「鏡の働き」のような効果を生み出します。例えばこんな場合です。
本人は「大丈夫です」と話してはいるけれど、コーチにはどうも大丈夫そうに聞こえないあるいは辛そうに見える、言葉と態度が違っているように感じる、そんなとき率直に「鏡にはこんな風に映っているよ」とコーチは伝えるのです。

3.組織での360度フィードバック

エグゼクティブがコーチを着ける際には、360度フィードバックを受け取ってからセッションを始めるようにと提案しています。職場にいる周囲の方々へ、クライアント自身で依頼をします。漠然としたものではなく、クライアントの「コミュニケーション」つまり言動についての内容です。時には本人にとってショックな内容を受け取ることもありますが、改善点を見つける手掛かりも含まれています。
私のクライアント様の実話ですが(※本人に許可を取って書いています)、「レスポンスが遅い」というフィードバックを複数の方から受け取りました(笑)。
どう感じるかと尋ねたところ「自覚はある」「こう書いてくると思っていた」と話します。私には少し肩を落としたように見えましたが、改善に向けた目標設定をなさいました。気がついているけれど、なかなか改善に結びついていないこともあります。フィードバックを受け取ることで、いよいよ行動に反映したという事例です。

受け取る側の「心の準備」はとても大切です。逆に、心構えのないところに主体性を発揮するのは難しいことです。抵抗が起こったり、言い訳を探すような反応を起こすこともあります。
組織における360度フィードバックは、受け取る側が自分の意志で依頼をします。
つまり心の準備を整えた状態で受け止めるものです。

まとめ

「痛いフィードバック」とは、時にショックを受けるような内容を受け取ることです。知らずに過ごしているのがよいのか、一時的に痛みを感じても知ることがよいのか、コーチとしては後者を強く薦めたいと考えます。

記事の著者

船木 優子Yuko Funaki

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

メーカー企業にて営業アシスタントを経て、新人スタッフ育成を学び担当する。テーマパークの開業準備を経験した後、人材育成の部門にてマネジメント、キャリアディベロップメント、アルバイトスタッフ育成など幅広く携わる。2004年にコーチングと出会い、社内に導入する。その後、外食産業系企業で店長や女将業の現場経験を積み、2013年に独立。現在は、プロコーチとして企業の人材育成、組織開発を行っている。