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効果的な会議の進め方(その会議本当に必要ですか?)

2018.12.05

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「会議を観ればその組織のレベルがわかる」と聞きます。会議そのものが必要か、また
不必要かの意見もあるとは思いますが、組織づくりのツールとして「効果的な会議」の
考え方や、コーチングとの共通点を検証します。

1. 会議の現状課題

会議に感じている課題や問題を調査した結果があります。(※株式会社NTTデータ研究所:「会社の革新とワークスタイルに関する調査」)
調査結果の回答を上位から見てみると
1位:無駄な会議が多い(45%)
2位 :会議等の時間が長い (44.1%)
3位 :会議等の頻度が多い (36.7%)
4位 :参加者のスケジュール調整が難しい (21.7%)
5位 :結論が持ち越されたと思う会議がよくある(20.9%)  (以下17位まで略)

私が勤めていた企業の例ですが、毎月月初に「営業報告会議」を開催していました。
40~50名の営業職が集まり、前月の活動や結果報告を1人ずつ発表するのですが、ときには1人で30分もの時間を要したこともありました。会議におけるルールは無かったのだと思います。仮にあったのだとしても、機能していなかったのでしょう。
ご自身の組織に、会議のルールはありますか?誰かのワンマンショーになってはいませんか?

2. 会議用のルールがあるか

経営学者のピーター・F・ドラッカー氏が、生産性の高い会議をするためのルールとして次のように語っています(※)。
ルールその1:目的のはっきりしない会議は開かないこと。
ルールその2:出席者の数を減らすこと。
ルールその3:会議の時間を短くすること。

この3つのルールを「肯定形」に置き換えてみます。

ルールその1:目的を明確にすること(意図・目的・ゴールの明確化)
ルールその2:出席者は○名まで(出席者・協力者を厳選する)
ルールその3:会議時間は○時間または○分間(時間を守る)

コーチングセッションでは、

・クライアントが設定した目標の意図や目的を明確にします。
・目標設定をするときは、可能な限り数値化します。
・協力者や関係者を積極的に考えることで、達成をより具体的にします。
・コーチとクライアントで話して決めた「期限」や「時間」を協働でマネジメントします。

ドラッカー氏の言うように、確かにこのようなルールがあれば効果的な会議になりそうです。

そしてゴール設定をするときには、会議の種類(型)に分けるとわかりやすいです。

などがあります。

3.ファシリテーター(進行係)の役割

2で述べた「目的の明確化」「出席者の厳選」「時間管理」以外に、
できるファシリテーターがどのように会議を創り出しているかをいくつかあげてみます。

・安全で話しやすい環境の配慮をする
・適度なタイミングで、反復や要約をして確認する
・話を本筋に戻すことができる
・否定せず承認する
・表面化していない(潜在的な)意見に気がつく
・会議後の具体的な行動計画を明らかにする
・1参加者としてフェアな態度を徹底する

私はコーチングを学ぶ中で、これらの要素が身についたように思います。
マンツーマンのときも、複数(チームやプロジェクト)のときも、コーチングセッションにおけるコーチの関わりは、ファシリテーターの役割にとても共通しています

4. 出席者の役割

当然のことながら出席者として選任を受けるには、そこに何らかの期待があるからです。
出席者にはファシリテーターと共に全員でゴールを目指す、能動的な姿勢が必要です。

組織の特徴的な会議の工夫を、いくつか取り上げてみます。

東京ガス   :資料などは3日前までに配布し、出席者は意見を事前に提出。
横浜市    :事前準備のない者は参加不可。
モトローラ  :少数派の意見を再び検討にかける。
資生堂    :連絡や調整のための会議は禁止。

ファシリテーターだけが、また逆に出席者だけが頑張る会議は決して効果的とは言えません。あくまでも協働で進めることが「効果的な会議」の欠かせない条件と言えるでしょう。
コーチングセッションも会議同様に、コーチとクライアントの協働で進めていきます。

まとめ

ファシリテーターも出席者も、今一度その会議の必要性や目標を明確にし、互いの貴重な
時間を使って協働できてこそ「効果的な会議」と言えるのではないでしょうか。
そしてそれは優れた組織づくりのツールになるのではないでしょうか。

記事の著者

船木 優子Yuko Funaki

  • WSCコークリエイター
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)
  • ホールシステムコーチング®︎認定プロフェッショナルコーチ

メーカー企業にて営業アシスタントを経て、新人スタッフ育成を学び担当する。テーマパークの開業準備を経験した後、人材育成の部門にてマネジメント、キャリアディベロップメント、アルバイトスタッフ育成など幅広く携わる。2004年にコーチングと出会い、社内に導入する。その後、外食産業系企業で店長や女将業の現場経験を積み、2013年に独立。現在は、プロコーチとして企業の人材育成、組織開発を行っている。